MTDLP(生活行為向上マネジメント)と作業療法

みなさんは、MTDLP(生活行為向上マネジメント)という言葉を知っていますか?この記事では、作業療法と関わりの深いMTDLP(生活行為向上マネジメント)ついて解説し、MTDLP推進協力校・推進協力強化校について紹介します。

 

MTDLP(生活行為向上マネジメント)とは

MTDLPはManagement Tool for Daily Life Performanceの略称で、日本語では生活行為向上マネジメントと呼んでいます。

みなさんは骨折等のけがをしたことがありますか?大きなけがや病気になると今まで当たり前のようにできていたことができなくなってしまうことが多いです。

そんなリハビリを理学療法士や作業療法士が行っていくのですが、みなさんにも趣味や生きがいのように、自分から「やりたい」と思うようなことがありますよね。

この生活行為向上マネジメントは、作業療法士が患者さまの「やりたい」と思うこと(生活行為)を目標に、人・作業・環境の分析を行い、生活行為の改善や目標達成のための支援(介入)を行うか。そして実行するための支援計画を立案していきます。

重要なポイントは患者さまができるようになりたいこと、やってみたいことを一緒に達成していくために、作業療法士がマネジメントしていくことです。

実際の取り組み例は日本作業療法士協会にも載っていますので是非読んでみてください。

作業療法士と関わる、対象者との時期別MTDLP事例

MTDLP生活行為向上マネジメントを行うと?

実際にMTDLP生活行為向上マネジメントを実践することによる効果についても報告されています。

地域在住の要介護高齢者に対する「生活行為向上マネジメント」を用いた作業療法の効果

日本作業療法士協会が作成している生活行為向上マネジメントのパンフレットにも効果検証が掲載されています。

生活行為向上マネジメントのパンフレット

今後作業療法士を目指す方は、MTDLPについて学ぶことは必須といえるでしょう。

MTDLP推進協力校/MTDLP推進協力強化校とは?

2025年には、日本の高齢化が30%を超えると推測される中で、地域包括ケアシステム作りが急務となっており、そんな中でこのMTDLPが開発されました。

このMTDLP教育を普及・啓発・推進するため、MTDLP教育に取り組んでいる養成校のうち、日本作業療法士協会により認定されると「MTDLP推進協力校」「MTDLP推進協力強化校」となります。

全国にある養成校193校のうち、推進協力校はわずか18校。推進協力強化校は10校です。

日本リハビリテーション専門学校作業療法学科は2023年度に昼間部・夜間部ともにMTDLP推進協力校に認定されました。首都圏の作業療法学科夜間部で認定されているのは日リハだけです!(2023年12月)

MTDLP推進協力校・推進協力強化校一覧

人は作業することで元気になれる

人の持てる能力を引き出すことができるのが作業療法士です。MTDLP生活行為向上マネジメントを学ぶことにより患者さまのQOLを向上させることができるようになります。

そんな作業療法士になるための授業・カリキュラム・先生・仲間が日リハには揃っています。ぜひ学校説明会・オープンキャンパス等に足を運んでみてはいかがでしょうか?

作業療法士は精神障害領域のリハビリテーションではどんなことをしているの?

作業療法は、精神障害領域のリハビリテーションにおいて、重要な役割を果たしています。作業療法を通じて、患者さまは、日常生活を送る上で必要な能力を回復・向上させ、社会復帰を目指していきます。

・身体機能の改善
・認知機能の改善
・コミュニケーション能力の改善
・社会生活能力の改善
・就労能力の改善
・生活の質の向上

作業療法士は、患者さまの個々のニーズに合わせて、活動の内容や難易度を調整します。また、患者さまの家族や介護者への支援も行います。

それではひとつずつ、少し具体的に見てみましょう。

身体機能の改善とは

作業療法における身体機能の改善とは、患者さまの身体の動きや筋力を向上させるためのリハビリです。具体的には、以下のような活動を行います。

・ストレッチ
・筋力トレーニング
・バランス訓練
・歩行訓練
・自助具の使用訓練

 

 

身体機能の改善は、患者さまが日常生活を送る上で必要な能力を回復・向上させるために重要です。身体機能が向上すると、患者さまは、食事や排泄、移動、着替えなどの日常生活動作を自立して行うことができるようになります。また、身体機能が向上すると、患者さまは、社会活動への参加や就労などの可能性も広がります。

認知機能の改善とは

作業療法における認知機能の改善とは、患者さまの記憶力、注意力、理解力、計算力、実行力などを向上させるためのリハビリです。具体的には、以下のような活動を行います。

・記憶訓練
・注意力訓練
・理解力訓練
・計算力訓練
・実行力訓練

 

 

認知機能の改善は、患者さまが日常生活を送る上で必要な能力を回復・向上させるために重要です。認知機能が向上すると、患者さまは、時間管理、計画立て、問題解決、意思決定などの能力を向上させることができます。また、認知機能が向上すると、患者さまは、社会活動への参加や就労などの可能性も広がります。

認知機能の改善を目的とした作業療法は、認知症や脳卒中などの患者さまに効果的です。また、認知機能の低下を予防するためにも、作業療法は有効です。

コミュニケーション能力の改善とは

作業療法士は、コミュニケーション能力の改善のために、以下のようなリハビリを行います。

・話す練習
・聞く練習
・読む練習
・書く練習
・表情やジェスチャーを使う練習
・会話の組み立て練習
・グループワーク練習

コミュニケーション能力の改善は、患者さまが日常生活を送る上で必要な能力です。コミュニケーション能力が向上すると、患者さまは、自分の気持ちを表現したり、相手の気持ちを理解したりすることができるようになります。また、コミュニケーション能力が向上すると、患者さまは、社会活動への参加や就労などの可能性も広がります。

コミュニケーション能力の改善を目的とした作業療法は、発達障害や精神障害などの患者さまに効果的です。また、コミュニケーション能力の低下を予防するためにも、作業療法は有効です。

社会生活能力の改善とは

作業療法士は、社会生活能力の改善のために、以下のようなリハビリを行います。

・家事や育児などの日常生活動作の練習
・買い物や通勤などの社会活動への参加の練習
・趣味やボランティア活動などの活動への参加の練習
・グループワークや交際活動などのコミュニケーション能力の向上のための練習

 

 

社会生活能力の改善は、患者さまが日常生活を送る上で必要な能力です。社会生活能力が向上すると、患者さまは、自立して生活したり、社会とつながりを持つことができるようになります。また、社会生活能力が向上すると、患者さまのQOL(生活の質)が向上します。

社会生活能力の改善を目的とした作業療法は、発達障害や精神障害などの患者さまに効果的です。また、社会生活能力の低下を予防するためにも、作業療法は有効です。

就労能力の改善とは

作業療法士は、就労能力の改善のために、以下のようなリハビリを行います。

・仕事に必要なスキルの向上
・職場適応能力の向上
・就職活動の支援

 

 

就労能力の改善は、患者さまが社会復帰を目指す上で重要なことです。就労能力が向上すると、患者さまは、経済的自立を図ったり、社会とつながりを持つことができるようになります。また、就労能力が向上すると、患者さまのQOL(生活の質)が向上します。

就労能力の改善を目的とした作業療法は、発達障害や精神障害などの患者さまに効果的です。また、就労能力の低下を予防するためにも、作業療法は有効です。

具体的なリハビリ内容は、患者さまの障害や希望によって異なりますが、以下のような例があります。

・仕事に必要なスキルの向上
・パソコン操作
・コミュニケーションスキル
・時間管理スキル
・問題解決スキル
・職場適応能力の向上
・職場のルールやマナーを学ぶ
・職場の人間関係を築く
・職場のストレスに対処する
・就職活動の支援
・履歴書の作成
・面接練習
・求人情報の収集
・職業訓練の受講

作業療法士は、患者さまの就労能力の改善を支援するために、様々な方法でサポートします。患者さまは、作業療法士の支援を受けることで、就労への一歩を踏み出すことができます。

生活の質(QOL)の向上

作業療法士は、生活の質の向上のために、以下のようなリハビリを行います。

・身体機能の改善
・認知機能の改善
・コミュニケーション能力の改善
・社会生活能力の改善
・就労能力の改善
・精神的健康の改善

 

 

生活の質の向上は、患者さまが日常生活を送る上で重要なことです。生活の質が向上すると、患者さまは、より充実した生活を送ることができるようになります。また、生活の質が向上すると、患者さまのQOL(生活の質)が向上します。

生活の質の向上を目的とした作業療法は、幅広い疾患や障害の患者さまに効果的です。また、生活の質の低下を予防するためにも、作業療法は有効です。

作業療法士は、患者さまの生活の質の向上を支援するために、様々な方法でサポートします。これまでにあげてきましたとおり、「身体機能の改善」「認知機能の改善」「コミュニケーション能力の改善」「社会生活能力の改善」「就労能力の改善」などを通して、患者さまの生活の質(QOL)の向上を図っていきます。

患者さまは、作業療法士の支援を受けることで、より充実した生活を送ることができるようになります。

【まとめ】

精神科領域で作業療法士が行うリハビリテーションは本当に幅広い様々な事を行います。その為、なかなかイメージがつかない部分もあると思いますので、本校では精神科病院への現場見学にもご案内することができます。ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

 

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作業療法士をアルファベットで表すと?略称はどんな意味があるの?

作業療法をアルファベットで表すと「Occupational Theaphy」になります。その為、省略して「OT」と表記したり、「オーティー」と読んだりすることが一般的となっています。ただそのOTですが、他にも「OTS」「OTA」「OTR」など、OTの後ろにアルファベットを続けて表記することがありますので、それぞれの意味について説明いたします。

作業療法は「Occupational Theaphy」

作業療法士はアルファベットでは「Occupational Theraphist」と表記され、それぞれの頭文字をとって「OT」とも呼ばれます。

ただ、作業療法という職業についてもアルファベットで表すと「Occupational Theraphy」となり、略称では「OT」となります。

「OTR」は何の略称?

「OTR」は「Occupational Therapist Registered」の略称です。「Registered」とは日本語訳では「登録した」を表しています。 作業療法士は国家資格であるため、厳密にいうと作業療法士を表すときは「OTR」が正しく、「OT」は作業療法という職業そのものを指すことになります。

ですが、実際は作業療法士を呼ぶときも「OT」と言う事も多いです。

「OTS」は何の略称?

「OTS」は「Occupational Therapist Students」の略称になります。Students、つまり作業療法士を目指して勉強している学生さんたちの事を表しています。

「OTA」は何の略称?

「OTA」は「Occupational Therapist Assystant」の略称です。つまり、作業療法士の助手をしている方を呼ぶときに使われています。

 

作業療法士という職業についてはこちらで詳しく紹介しています