理学療法士・作業療法士の国家試験とは?実施時期や難易度はどのくらい?

この記事では理学療法士・作業療法士の国家試験の実施時期や概要、難易度などについてまとめています。

学療法士・作業療法士の国家試験とは?

理学療法士・作業療法士は「国家資格」です。国家資格とは、国が法律で定めた、国や地方自治体などが認定する資格。民間資格に比べて取得が難しく、理学療法士・作業療法士の場合は養成校で学びしっかりと勉強をした上で国家試験に臨む必要があります。

養成校では、学ばなければならないカリキュラムが定められています。大きく分けて、一般教養科目・専門基礎科目・専門科目・臨床実習の4種類です。

通常、理学療法士・作業療法士の国家試験では在学中に臨床実習を行う事で実技試験が免除され、筆記試験を受験している形になります。

これらを学ぶことは決まっていますが、国家試験合格のためにどんな勉強をするのか?苦手分野の克服方法や対策スケジュールの立て方など、養成校によってさまざまな取り組みを行っています。

学校によって特色が違いますので、学校選びの際は「国家試験対策をしています」という情報だけでなく、「どんなことをしているのか?」まで、しっかり判断して決めると良いでしょう。

理学療法士・作業療法士の国家試験の実施時期は?

理学療法士・作業療法士の国家試験は年に一度だけ実施されます。毎年2月の最終日曜日(またはその前後)に実施されていますが、正確な実施日が毎年決まっているわけではありません。

例えば、2022年2月の最終日曜日は27日ですが、実際の国家試験は2月20日に実施されます。

理学療法士・作業療法士の国家試験難易度は?

近年の理学療法士・作業療法士の国家試験合格率の全国平均は80%前後で推移しています。

3年または4年間、養成校でしっかりと勉強した人でも20%ほどは不合格になる可能性もあると考えると、決して優しい試験というわけではないでしょう。

さらに、現役の学生ではなく養成校を卒業した後に受けた場合、合格率は理学療法士で40%、作業療法士で20%と大変低くなります。この数値によって、学校でのリアルタイムな国家試験対策が重要ということがわかりますね。

国家試験対策は、きちんとスケジュールを立て、1年生から国家試験合格を見据えて計画的に実施する必要があります。

国家試験は最低でも6割以上の得点を取ることがボーダーラインとされています。国家試験は280点満点ですので、168点以上取れれば合格することができます。

介護福祉士から作業療法士へキャリアアップ!介護の仕事の経験が活かせる職業

介護の仕事の経験を活かして、理学療法士・作業療法士へ

理学療法士・作業療法士は、お年寄りや、身体や精神に障がいがある方などに対してリハビリテーションを行う仕事です。単に技術を駆使して身体を回復させるわけではなく、患者さんとのコミュニケーションが重要な仕事です。患者さんの気持ちになって考え、どう声掛けをするか工夫したり、ご家族の協力を仰いだり、人間関係の構築がとても大切です。

そして、それは福祉・医療という分野であればどの仕事にも言えることですよね。つまり、既に介護の現場で働いている方は理学療法士や作業療法士になる適性があり、他職種から目指す人よりも一歩前を進んでいるということになります!

今の仕事を活かしながらさらにスキルアップできることがメリットです。コミュニケーション力は、一朝一夕で身につくものでもありません。患者さんと向き合っていかなければならない職種上、既に実務経験があるということは大きなアドバンテージとなります。

理学療法士・作業療法士の仕事では、他の関連する職種の方々(医師や介護福祉士、言語聴覚士、社会福祉士など)と協力して患者さんへのアプローチを考えていきます。

例えば、リハビリテーションの内容を考えるときには普段どんな生活をしているのか、どこで不自由を感じているのかを介護福祉士の方からヒアリングしたりします。患者さんを支えることは一人では成り立ちません。そういった際に、既に現場で働いている方であれば他職に対し理解が深く、また自身にもスキルがあるためより広い範囲でアプローチすることができます。

理学療法士・作業療法士への転職。待遇は?

介護の仕事の中には、夜勤や休日出勤が多いものもあるため、転職して労働条件を変えたいと思う方は多くいらっしゃると思います。

理学療法士・作業療法士の仕事は、福祉・医療の仕事の中では労働条件が良い方です。日勤であることが多く、もちろん職場によりますが、朝8時~9時に出勤・夜6時~7時頃には業務が終わるパターンが多いようです。休日については、職場が土日に空いているかどうかによって大きく変わります。土日が休みの場合もありますし、土日は出勤し、平日に休みを取ることも多くあります。

また、やりがいや誇りをもって仕事をしていく上でも、対価としての給与については誰もが気にするところかと思います。厚生労働省の平成27年度賃金構造基本統計調査によると、理学療法士・作業療法士の平均年収は約404万円。介護福祉士の平均年収は約304万円。ちょうど100万円の差があります。

介護の現場といっても様々な仕事がありますが、今の仕事のスキルにプラスして、理学療法士・作業療法士の資格を取った方であれば、技能が高く・経験則という面でも大きくアドバンテージがあります。その結果、待遇よく就職することができ給与が上がる例は少なくありません!

キャリアアップへ思い切って踏み切れないという方もいらっしゃると思います。ですが、かかった学費をその後の給与で上回れるように、勉強に労力を割いたとしても、学んだことは必ずいつかプラスになります!

そして、介護の現場で働いている人であれば今までの道を活かしながらキャリアアップすることができます!転職をお考えの方は、ぜひ理学療法士・作業療法士の資格取得にチャレンジしてみてください。

介護福祉士から作業療法士を目指す学生の声

介護福祉士から作業療法士へのキャリアアップを目指す学生の声を聞いてみました。

私はもともと介護現場で働き、主に利用者さんの身の回りのお手伝いをさせていただいていました。お仕事をする中で、障害の進行や体力の低下により日常生活が困難になり、それに伴い精神的に落ち込んでいってしまう高齢者の方々を目の当たりにし、もっと私にできることはないか、という思いを強く持ちリハビリ職へのキャリアアップを考えました。作業療法士のお仕事は、身体的な面だけでなく、精神面でのサポートに必要な知識も学べるということで、とても興味を持ちました。医学的な知識を学ぶことで、高齢者の方々の「生活の質」が少しでも良いものになるよう貢献したい、という思いで作業療法士への道を選びました。

介護現場で働いた経験から考えるに、身体面と精神面のバランスがとれた状態が「生活の質が良い」と言えると思います。体が思うように動かない時は精神的にも落ち込んでしまい、部屋に篭りがちになって淡々と日常を送ってしまう方もいます。そんな時は、「体のケア」だけでなく「心のケア」も重要です。

レクリエーション等を通じて利用者さん同士の関わりを持つことで、より日常が充実したものになることも。現場で経験し学んできたことに医学的な知識をプラスしていけたらと思います。
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作業療法士になるためになぜ臨床実習をするの?実習ではどんなことするの?

作業療法士を目指す場合、養成校在学中に必ず「決められた時間数以上の臨床実習(学外での実習)」を行わなければなりません。

今回は、臨床実習とは何か、なぜ実習が必要なのかについてまとめています。

作業療法士の実習について

作業療法士になるためには、臨床実習を行う必要があります。臨床実習は、作業療法士が実際に活躍する校外の医療・福祉施設において、専門家として必要な知識・技術を習得するために行われます。

学校によってカリキュラムに違いはありますが、指導者の助言・監督の下で実施される主な臨床実習は次の3種類です。

■臨床実習I(見学実習):1~2年次に1日~1週間程度
実際のリハビリテーションの現場や関連職種の仕事の様子を見学します。一連の業務内容を理解して、作業療法士としての基本的姿勢を身に付けます。

■臨床実習II(評価実習):2~3年次に2~3週間を2回程度​
身体障害・精神障害両領域の実際の対象者に作業療法評価を実施し、医療面接、検査・測定、動作観察などの技術・能力を身に付けます。

■臨床実習III(総合実習):最終年次に6~8週間を2回程度
身体障害、精神障害、老年期障害、発達障害のうち、2領域以上で長期的に対象者を担当し、評価、目標設定、治療計画立案、治療までを実施します。また、組織の一員としての実務や業務管理を経験し、作業療法士としての実践的な能力を身に付けます。

他にも,教員とともに地域でのさまざまな活動に参加し,コミュニケーションスキルなどを高めます。

それぞれの臨床実習は異なる施設で実施される場合もあります。実習施設が遠隔地であれば、生活拠点を一時的に寮やホテルに移しての実習となります。

なぜ、実習を行うの?

作業療法士を目指す学生の間に、多くの時間を患者様と接することで、実践的な力が身につきます。学内教育で習得した知識・技術を臨床現場で統合することが目的です。

学内教育と学外での臨床実習はどちらも重要で、両者の相乗効果によってより高い学習効果を得ることができます。数多くの症例に触れることで技術が身につき、就職後の患者様の機能回復にもつながります。

作業療法士や理学療法士といったリハビリテーション専門職に求められる、適切な行動・態度、そして責任感を修得することも臨床実習の目的としてあります。作業療法士としての観点の前に、就職した後は社会の一員として、礼儀やマナーといったものも身に着けておかないといけません。実習の間は、これを学べる重要な機会です。

実習を重視している学校を選ぼう

作業療法士を目指せる学校であれば、実習は必須で、厚生労働省が定める実習時間は990時間です。ですが、実習に力を入れている学校もあれば、必要以上の実習は行なわない学校など、それぞれ特徴があります。

学生からすると実習は「寝る間もなく大変そう」「授業で学んだことが発揮できるか不安」といったイメージがあるかもしれません。ですが、近年では実習生に対するストレス、実習指導者にかかる負担などを考慮して、決められた時間内で終われるように自習内容も調整されています。

また、先だって述べたように、実習は将来就職する上で非常に重要な学習の機会です。より多くの時間、臨床現場に触れ、就職した後の準備をしておく必要があります。

学校選びの際は、実習を重視しているかどうか確認してみましょう。