理学療法士はまだまだ足りない!2040年の需要増減予想とこれから成長する職業

「理学療法士は飽和している」という情報を聞いたことがある方もいるかもしれません。インターネットやSNSではいろいろな噂がどんどん広まってしまうことが多々あります。しかし、実際には理学療法士はまだまだこれからも必要とされる職業であるという事は、多方面から証明されています。

この記事ではそうしたデータを見ながら、今後の理学療法士の活躍についてまとめています。間違った情報を鵜吞みにすることなく、ご自身が進むべき道を考えてみてください。

 

理学療法士は2040年に需要が増える医療職ベスト1位

ダイヤモンド社が行った2040年の需要予想の調査によると、需要が増加する職業の第1位に理学療療法士が選ばれています。(同率1位に看護師、第3位が作業療法士となっています)

 

第1位 看護師

第1位 理学療法士

第3位 作業療法士

第4位 言語聴覚士

以下続く…

 

増加すると考えられている理由の一つに、2025年問題があげられます。団塊の世代と呼ばれる人口にボリュームのある世代が75歳以上の後期高齢者となり、リハビリテーションが必要となります。医療制度自体も、自宅で健康に過ごし、医療費の抑制が期待出来るリハビリテーションにインセンティブをつけるようになっていくと予想されています。あわせて、IT技術の進化により、リハビリテーション関連機器が発展する事も要因の一つと考えられています。

つまり、理学療法士はまだまだこれからも必要とされている職業だと考える事ができます。

参照元:ダイヤモンドオンライン

 

理学療法士は今後10年で成長する職業の4位

米国の金融情報サイト、キップリンガーが「今後10年で成長する職業、消える職業ランキング」を発表しました。そのランキングによりますと、理学療法士は成長する職業の第4位

に選ばれています。

 

■今後10年で成長する職業トップ10

1位 アプリ開発者

2位 コンピューター・システム・アナリスト

3位 ナース・プラクティショナー(特定看護師)

4位 理学療法士

5位 医療サービス・マネージャー

6位 医師助手

7位 歯科衛生士

8位 市場調査アナリスト

9位 パーソナル・ファイナンシャル・アドバイザー

10位 言語聴覚士

参照元:Zuu online

 

理学療法士は4位にランクイン!医療関連職種が多く、テクノロジーに代替えされにくい職業として選ばれたようです。米国と日本では理学療法士になるための年数も学びも違うが、AIの発展による影響を受けにくい仕事だということに変わりはありません。

また、理学療法士も、AIのテクノロジーをうまく理学療法に利用していくことが求められていくでしょう。大切なことは、時代の流れに柔軟に対応して常に学び続けることです。

 

理学療法士 今後の需要について

最近では高齢者社会に伴い、福祉施設での需要が増えてきています。また、高齢者の増加に加え、医療費の削減、医師や看護師の不足、病床数の不足といった社会背景により、訪問看護や訪問リハビリテーション事業所での勤務も増加しつつあります。特にリハビリテーションに関しては、医科の診療報酬よりも大幅に増加傾向が大きいことを問題視されているため、今後もさらに低くなるように見直されることが予測されます。

今後は、高齢化社会がますます加速するため、リハビリを必要とする高齢者も増加していくことが推測されます。そのため、理学療法士の需要は増加することが見込まれます。特に、入院期間が短縮傾向にあることから、予防リハビリテーションや訪問リハビリテーション等における理学療法士の需要はさらに増えてくるでしょう。

しかし、その一方で理学療法士の数が増加していることも考慮しておかなければなりません。そのため、就職するにはより高い知識や技術の習得が不可欠です。また、理学療法士の国家資格を取得した後にも、日々自己研鑽を続けていくことも意識しておく必要があるでしょう。

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夜間部で学び理学療法士・作業療法士を目指すには、ライフスタイルとの両立が大事

理学療法士や作業療法士を目指す多くの学生が、昼間の仕事と並行して学べる夜間部を選んでいます。実際に学んでいる学生はどうして夜間部を選択したのでしょうか。また、夜間部が選ばれる理由やどのような人が夜間部に向いているのか、夜間部学生の実情や教育内容の特徴などについても知っておきたいことと思います。

この記事では、夜間部が人気の理由、働きながら学べるメリット、学費サポートなどについて詳しく解説します。夜間部での資格取得を考えている方々に参考としていただけると幸いです。

-目次-

理学療法士・作業療法士を目指す学生に夜間部が選ばれる理由

理学療法士・作業療法士を目指す学校で、夜間部がある専門学校は多数あります。夜間部で学ぶ学生の特徴は、経歴や年齢層が多彩なこと。昼間働き、夜間学びながら理学療法士・作業療法士を目指す社会人もいます。

夜間部の学生はモチベーションも高く、刺激のある環境を求め、あえて夜間部を選んだという学生も多いです。

昼間部とほぼ同じカリキュラムで、働きながら学ぶことを意識し、時間数をおさえた夜間部は、ライフスタイルと学びとを両立したい人におすすめです。目的意識が高く、働きながら確実に実践力を身につけられます。

また、夜間部がある学校は授業後も図書館や自習室を利用して、自習することができるところがほとんど。わからないことは教員に質問することも可能で、学生の復習をバックアップしてくれます。就職サポートや学費サポートも、もちろん昼間部と変わりありません。

働きながら学べ、学費サポートも豊富な夜間部

夜間部は、昼間部に比べて学費の負担が少なく、授業料の分割納付も可能なケースが多いです。

それは、「働きながら学びたい」という学生が多いため、学校側が学費のサポートを手厚くしてくれているのです。これを利用し、「学びたい」という意欲を学費の面でなくしてしまわないように、モチベーションを高くして頑張っている学生が多数います。

必要に応じて、奨学金を利用しながら無理なく学費を納めていくことができるように、在学中のプランニングも重要になってきます。

日本リハビリテーション専門学校独自の学費支援制度はこちら

夜間部の学生に向いている人とは?

夜間部に向いている人は、ライフスタイルに合わせた学びをしたい人です。具体的には以下の人などが夜間部に向いているのではないでしょうか。

社会人、ダブルスクールの学生

夜間部の最大の特徴は昼間の時間が自由に使えるということです。理学療法士・作業療法士には一度社会に出てから第2の人生として転職される方がたくさんいますのである程度社会経験があり、お仕事をしながら学校に通いたいという方や、大学在学中にダブルスクールで専門学校の夜間部に通い、国家資格取得を目指す方にもおすすめです。

昼間のアルバイトを考えている人

昼間のアルバイトをしながら夜間部に通う方は多くいます。学業を中心とした生活を考えると、正社員ではなくアルバイトの方が良いでしょう。

理学療法士・作業療法士の専門学校には、病院や施設からリハビリ助手など医療系のアルバイト求人が来ていることが多いです。一般の職業に比べて、医療現場で働くことができるというメリットだけでなく、実習期間や試験前にお休みがいただけるなどの配慮をしてもらえるということも大きな特徴です。

学校によっては、昼間部・夜間部とそれぞれにもっと特徴やメリットがあります。学校ホームページやパンフレットで、それぞれの情報を見比べて自分に合った学科を選んでください。

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理学療法士の広がる未来!理学療法士としてスポーツ分野で活躍するために

身体機能の回復を専門とする理学療法士を目指す方の多くは、自身のスポーツ中の怪我をきっかけに、この職業を知り興味を持っています。実際に理学療法士はスポーツ分野と深い関わりがあり、怪我からの回復支援や予防指導など、理学療法士の知識と技術はアスリートにとって欠かせません。

近年の健康志向やスポーツ人口の増加に伴い、理学療法士の需要も高まっていて、プロチームのサポートから一般市民の健康維持まで、その活躍の場は広がり続けています。

この記事では、理学療法士のスポーツ分野での役割や、キャリアの可能性について詳しく解説します。

-目次-

理学療法とスポーツ分野の仕事

理学療法士は身体機能回復のプロフェッショナルです。スポーツをしていて怪我をしてしまった患者さんへのアプローチや、スポーツに復帰できるようにサポートをすること、そしてスポーツをする上で怪我をしないよう予防を呼びかけるなど、理学療法士の仕事はスポーツと密接に関わっています。

そのため、理学療法士としてスポーツ分野で活躍する場は多くあります。

まずは、病院やクリニックなどの医療現場です。前述したようにスポーツが原因で理学療法を必要としている人は多くいるので、「スポーツしている人を支えたい」という方はその機会に恵まれるでしょう。

病院・クリニックによっては、スポーツ選手が特に多く訪れる病院や、プロチームの専属ドクターが開業しているなどの理由でよりスポーツ分野に特化している職場もあります。「プロのスポーツ選手を支えたい」という方は就職先を選ぶ際にそういった特徴のある場所を見極める必要があります。

さらに、アスリートやプロスポーツ選手などをサポートする仕事を選ぶこともできます。一般的に理学療法士の領域として知られているリハビリの仕事というよりも、スポーツトレーナーとしての意味合いが強くなります。

スポーツを行う人の筋肉の疲労を取ったり、より機能的に筋肉が働けるように調整していったり、といったサポート業務を主に行います。

実は、スポーツトレーナーになるのには国家資格は必要なく、民間資格もありますが必ず必要というわけではありません。ですが、実際にはスポーツ選手のサポートを行う際には、理学療法士になるための勉強で学ぶ「基礎医学」や「トレーニング理論」、そして実務としては体調管理に始まりさまざまな専門知識が必要になります。

そのためスポーツトレーナーとして活躍する人は、理学療法士の資格を持っている人が多いです。

スポーツトレーナーとして働くには

さらに詳しく、スポーツトレーナーの仕事についてご説明します。

スポーツトレーナーとして現場で働く代表的な例は、プロチームの契約スタッフでしょう。プロチームの契約スタッフとは、国内のプロチームと契約し、プロ選手のサポートを行う仕事です。

例えば、プロ野球の試合ではスポーツトレーナーが一人ずつベンチに入り、打者がデッドボールを受けて痛がった時などは患部を冷やすためのスプレーを手に飛び出していきます。テレビを見ていてそういったシーンを見ることがあるのではないでしょうか。

また、サッカーのJリーグや、バスケットボールのbjリーグなどでも、各チーム数人のスポーツトレーナーと契約している場合がほとんどです。

次に、「企業チームの契約スタッフ」という選択肢もあります。

企業チームのスタッフとして契約できれば、概ね安定した収入が得られる場合が多いため、スポーツトレーナーにとっては魅力的な職場です。日本では多くの企業が、さまざまな競技チームを運営しており、全国レベルのチームにはスポーツトレーナーと契約しているところが多いです。

また、アマチュアスポーツチームの「派遣スタッフ」という雇用の形もあります。

現在はクラブチームや大学、高校などのチームでもスポーツトレーナーと契約しているところが増えてはいますが、アマチュアチームではスポーツトレーナーと個人的に契約するにはコストがかかりすぎると判断し契約に至らない場合があります。

そのため、病院や整体院、スポーツジムなどに所属するスポーツトレーナーを安い費用で派遣してもらうことが多いです。そういったチームとの繋がりのある病院に勤務することも、スポーツに関わる仕事ができる第一歩となるでしょう。

今後広がる理学療法士の活躍の場

スポーツ分野は近年、市民に需要が拡大しています。欧米のフィットネスブームを受けてジムに行く人が増え、スポーツ選手以外にもスポーツ人口が増えている状況です。理学療法士の仕事もそれに伴って需要が上がっています。

さらに障がい者スポーツや傷害予防の分野でも求められており、今後活躍の場はどんどん広がっていくことが予想されます。

そして、理学療法士はスポーツ分野だけでなく、様々な分野で今後求められていくでしょう。スポーツ・起業・研究・先進医療・地域・挑戦…新しい理学療法士の広がりの形はこちらのページで紹介しています。

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