リハビリテーションの語源について

リハビリテーションとは、ラテン語のRe(再び)Habilis(取り戻す)が語源といわれています。日本語では「全人的復権」という意味で、その人らしく生活する権利を取り戻すことです。

 

 

障がい者や高齢者が住み慣れた地域で、地域住民を含めや行政機関・組織が協力し合って行うことを指します。現在のリハビリテーションは、病院での治療や生活指導と狭い意味で捉えられています。

 

 

日本では、昭和40年にリハビリテーション医療が病院の中で始まり、医学的治療を中心に始まりました。その間に、社会制度に伴ってリハビリテーションの治療範囲は拡充して、病院治療から在宅医療(訪問リハビリテーション、通院・通所リハビリテーション)が提供されるようになりました。ここで、大きな課題が生じてきました。

 

 

それは、折角在宅に戻ることができた患者様は、在宅から外に出る機会がなくなったことです。

 

 

在宅に戻った多くの患者様は、もう一度、いるべき世界に復帰する機会を失っていることです。在宅に戻った殆どの患者様は、実社会に戻るための就労リハビリテーション治療が行われていないのが現状です。

 

 

患者様が望む仕事に合わせた、就労リハビリテーション治療を継続できる環境がまだまだ整っていません。

 

 

そこで、新たな試みとして、在宅復帰と同時に社会復帰を目指した就労リハビリテーション治療が行える環境整備とAIやロボットスーツを活用したリハビリテーション治療についての研究を行っています。

 

 

 

 

理学療法学科 夜間部 木下修

自動ブレーキ付き車椅子のお話

作業療法学科教員の栗原と申します。今回は「自動ブレーキ付き」の車椅子についてお話ししたいと思います。

 

 

車椅子は対象者の身体能力や用途に合わせた様々な形があります。どの車椅子もブレーキをかけないままで立ったり座ったりすると、はずみで車椅子が勝手に動いてしまい、転倒につながる恐れがあり大変危険です。

 

 

特に認知症や高齢の方の転倒の要因に、車椅子のブレーキのかけ忘れがあることも少なくありません。

 

 

自動ブレーキ付きの車椅子は、対象者がブレーキをかけることを忘れても、車椅子から立ち上がると(座面に体重がかからなくなる)自動でブレーキがかかる仕組みがあり、ブレーキのかけ忘れに関連した転倒事故を予防することが出来るものです。

 

 

 

 

 

私は現在も訪問リハビリテーションに携わっており、この「自動ブレーキ付き」の車椅子をお使い頂くことで、月に1回位の頻度で転倒していた方が、全く転倒なく過ごせるようになったという事例も経験しました。

 

 

私たちセラピストが、対象者の身体・精神機能、転倒原因などを、医学的知識等を使ってしっかり分析・対応することで、対象者の安全な生活をサポートすることができます。

 

 

適切な福祉用具の提案や生活環境を調整することもサポートの1つで、直接的な機能訓練だけがリハビリのお仕事ではありません。

 

 

また作業療法士の仕事は、ただ安全な生活を送れるようにというだけではなく、「生き生き」とした生活をサポートするのが仕事であると思います。

 

 

またの機会に、どのように「生き生き」をサポートしていくのかお話ししたいと思います。

 

 

「これだ!」と思いました~日リハの先生紹介

今年度の新任の先生、作業療法学科の田中先生を紹介します。

 

 

田中 克一 先生

 

 

専門分野:老年期分野

主な担当教科:日常生活活動学・地域作業療法学

 

 


 

Q1:趣味や特技は何ですか?

 

海に入る事、野菜づくり、愛犬の散歩です。愛犬は少年院の矯正プログラムで働いていました。我家に来てからは、そこで学んだことを全て忘れてしまった、ちょっと残念な、だけどとても可愛いやつです。

 

 

Q2:作業療法士を目指したきっかけを教えていただけますか?

 

 

介護の仕事をしているときに作業療法の存在を知り「これだ!」と思いました。

 

運命ですね。

 

 

 

 

Q3:作業療法士という仕事の魅力はどんなところですか?

 

人の健康や幸福に寄与する事ができ、多くの人に感謝して頂けるところです。それとこの業界は良い人が多い。

 

 

 

Q4:学生を指導する上で心がけていることや学生に伝えたいことはありますか?

 

学生が具体的なイメージを持っていただく事ができるように授業を進めたいと思っています。

 

また、日リハで学ぶことを支えて頂いているご両親・ご家族への感謝を忘れず、教員や学友、患者さん等から多くを学び、充実した学生生活を送って頂きたいなと思います。

 

 

 

 

 

Q5:作業療法士を目指す皆さんにメッセージをお願いします!

 

 

人の健康や幸福に寄与できる、とてもやりがいのある仕事です。AI(人工知能)がどんなに発展してもなくならない仕事の一つといわれています。興味のある方は是非いらしてください。

 

 


 

 

 

最後に、田中先生は日リハの卒業生で、昨年度まで臨床現場で作業療法士として活躍されていましたが、ちょっとしたエピソードがあるので紹介します。

 

 

以前、ある病気の方のリハビリテーションを田中先生が担当していました。田中先生はその優しいお人柄もあり、患者様だけでなく、ご家族の方にとても信頼していただいていていました。

 

 

ある日、そのお子さんが「作業療法士を目指したい」と言った時、田中先生の出身校である日リハへの進学を勧めてくれて、晴れて今年新入生として作業療法学科夜間部へ入学されました。

 

 

そして、時を同じくして、今年から日リハ作業療法学科夜間部の教員となった田中先生。

 

 

以前、病院でリハビリテーションを担当していた患者様のご家族の方が本校のホームページ(教員紹介)をご覧になったとき、「田中先生が日リハの先生になってる!」と大変驚かれたのと同時に、喜んでくれたんだそうです。

 

 

いくつかの偶然が重なって、田中先生から直接指導を受けることになった患者様のご家族のお子さんですが、きっとこれは運命に導かれた必然だったのでしょう。