腰痛や肩こりの要因の一つは体幹の使い方

理学療法学科の黒木です。

 

腰痛や肩こりは皆さんの中でかなり身近な存在なのではないでしょうか。

 

皆さん自身にも経験があったり、友達や家族がその症状で苦しんでいるのを見たり聞いたりしているかもしれません。

 

普段の生活の中、例えば、アルバイト、仕事、部活、スポーツで体を動かしているうちに、知らず知らずのうちに、肩や腰に負担がかかってしまう場合があります。

 

私たち身体機能の専門家である理学療法士でも、かなり意識をしていても症状が出ることもあるし、運動機能のバランスが崩れていることもあります。

 

その要因の一つに、体幹という体の中心部分の使い方に問題があることがあります。

 

体幹は手や足を動かすとき、例えば、歩く、食事をする、スポーツをするなど、すべての姿勢や運動の際に土台となります。

 

体幹を安定させるには腹腔内圧(intra-abdominal pressure)という、お腹の内圧を高めることが重要です。

 

これを高めるには、腹から背中の筋、骨盤の筋、横隔膜という呼吸運動の筋を協調して働かせます。

 

その時のお腹の理想的な形はこちらです。

 

 

 

たくさんの筋がバランスよく働くことで、背骨がちょうどよいまっすぐなポジションをとることができ、手や足を動かしやすくなります。

 

また、この使い方は、腰痛や肩こりを予防するだけでなく、スポーツでのパフォーマンスを高めることにも有効です。

 

 

 

運動の一例をお示しします。

 

結構、見た目はシンプルです。

 

仰向け(あおむけ)から、手足を天井に向かって挙げます。

 

その時に先ほどのお腹の形を意識して力を入れます。(最初は結構難しい・・)

 

軽く腹式呼吸を意識すると運動しやすくなります。

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この運動は、肩こりや腰痛以外の症状を持っている患者にも使います。

 

また、理学療法士は身体をダイナミックに使う仕事ですので、自分の体のトレーニングをしながら、体の使い方を学んだりしています。

 

ご興味がある方は、ぜひお話を聞きに来てください。

 

リハビリテーションの語源について

リハビリテーションとは、ラテン語のRe(再び)Habilis(取り戻す)が語源といわれています。日本語では「全人的復権」という意味で、その人らしく生活する権利を取り戻すことです。

 

 

障がい者や高齢者が住み慣れた地域で、地域住民を含めや行政機関・組織が協力し合って行うことを指します。現在のリハビリテーションは、病院での治療や生活指導と狭い意味で捉えられています。

 

 

日本では、昭和40年にリハビリテーション医療が病院の中で始まり、医学的治療を中心に始まりました。その間に、社会制度に伴ってリハビリテーションの治療範囲は拡充して、病院治療から在宅医療(訪問リハビリテーション、通院・通所リハビリテーション)が提供されるようになりました。ここで、大きな課題が生じてきました。

 

 

それは、折角在宅に戻ることができた患者様は、在宅から外に出る機会がなくなったことです。

 

 

在宅に戻った多くの患者様は、もう一度、いるべき世界に復帰する機会を失っていることです。在宅に戻った殆どの患者様は、実社会に戻るための就労リハビリテーション治療が行われていないのが現状です。

 

 

患者様が望む仕事に合わせた、就労リハビリテーション治療を継続できる環境がまだまだ整っていません。

 

 

そこで、新たな試みとして、在宅復帰と同時に社会復帰を目指した就労リハビリテーション治療が行える環境整備とAIやロボットスーツを活用したリハビリテーション治療についての研究を行っています。

 

 

 

 

理学療法学科 夜間部 木下修

自動ブレーキ付き車椅子のお話

作業療法学科教員の栗原と申します。今回は「自動ブレーキ付き」の車椅子についてお話ししたいと思います。

 

 

車椅子は対象者の身体能力や用途に合わせた様々な形があります。どの車椅子もブレーキをかけないままで立ったり座ったりすると、はずみで車椅子が勝手に動いてしまい、転倒につながる恐れがあり大変危険です。

 

 

特に認知症や高齢の方の転倒の要因に、車椅子のブレーキのかけ忘れがあることも少なくありません。

 

 

自動ブレーキ付きの車椅子は、対象者がブレーキをかけることを忘れても、車椅子から立ち上がると(座面に体重がかからなくなる)自動でブレーキがかかる仕組みがあり、ブレーキのかけ忘れに関連した転倒事故を予防することが出来るものです。

 

 

 

 

 

私は現在も訪問リハビリテーションに携わっており、この「自動ブレーキ付き」の車椅子をお使い頂くことで、月に1回位の頻度で転倒していた方が、全く転倒なく過ごせるようになったという事例も経験しました。

 

 

私たちセラピストが、対象者の身体・精神機能、転倒原因などを、医学的知識等を使ってしっかり分析・対応することで、対象者の安全な生活をサポートすることができます。

 

 

適切な福祉用具の提案や生活環境を調整することもサポートの1つで、直接的な機能訓練だけがリハビリのお仕事ではありません。

 

 

また作業療法士の仕事は、ただ安全な生活を送れるようにというだけではなく、「生き生き」とした生活をサポートするのが仕事であると思います。

 

 

またの機会に、どのように「生き生き」をサポートしていくのかお話ししたいと思います。