「人」対「人」の仕事

こんにちは。理学療法学科の佐藤です。理学療法士として働いていると、様々な患者様との関わりがあります。

 

 

今まで関わった方々は、年齢は0歳~100歳を超える幅広い年代の方々であり、生活の背景や職業などもそれぞれ違います。

 

 

 

理学療法を行うにあたり、対象となる方との意思疎通は欠かせません。

 

 

 

意思疎通というと、発語による言語を用いた手段が一番に思い浮かびますが、必ずしも共通の言語で会話ができるとは限りません。

 

 

 

時には外国籍の方と、自分自身の日常会話にもならない拙い英語で話をしたり、耳が聞こえない方とほんの少しの手話を通してやりとりすることもありました。

 

 

 

また、言葉という手段を用いることもできず、ジェスチャーや表情、接触を通して伝わる感覚だけを頼りにコミュニケーションを図ることもあります。

 

 

 

 

 

 

ただ不思議なことに、始めはなかなかお互いの思いが分かり合えていないと思っていても、関わりが増えていくと徐々に何となく対象の方の考えていることが読み取れるようになり、こちらに対する受け入れが広がっているように感じられます。

 

 

これも人対人の仕事だからこそ得られる貴重な感覚であり、理学療法士としての仕事の魅力の1つだと思っています。

 

 

理学療法士としてのやりがい

理学療法学科教員の塩澤と申します。私は研修日を利用して2か月に1回、社会福祉施設で非常勤の理学療法士として働いています。

 

 

 

本施設は障がい福祉サービスの「生活介護事業所」です。対象は知的障がい、または身体障がいをお持ちの方で、障害福祉サービス受給者証の交付を受けた方になります。

 

 

 

設置は自治体であり、社会福祉事業団が運営を受託しています。日中活動として創作、音楽、作業、リラクゼーション、散歩、レクリエーション、調理などを行っています。看護師さん、支援員さんたちがこれらの活動を支援されています。

 

 

 

リハビリ職は嘱託として理学療法士、作業療法士が年6回、言語聴覚士が年4回入りお手伝いさせていただいています。

 

 

 

理学療法士として私の仕事は、利用者の方の身体機能の維持向上、拘縮予防、姿勢矯正、ポジショニング、呼吸介助、ケアしやすい体づくりになります。利用者の方の多くは、脳性麻痺や生まれつき心臓等に障がいがある方です。

 

 

 

 

 

 

私の力不足で大きな変化や改善がみられることが多くはないのですが、介入に対して笑顔や良い反応が見られると理学療法士としてのやりがいを感じます。

 

 

 

利用者の方個々に状況は違いますが、今出来ていることを少しでも長く続けられるようになること、姿勢の修正やポジショニングをとおして、少しでも楽な姿勢で過ごしていただけるようになることを目指して取り組んでいます。

 

 

 

 

 

 

また、日ごろは看護師さんや支援員さんたちが一生懸命に支援されていらっしゃいます。こうした職員の方々の支援の一助になれるよう努めています。

 

 

 

私がお尋ねするのは2か月に1回だけですが、行くと毎回明るい雰囲気につつまれ、利用者の方々、職員のみなさまが明るく活動されており、学ばせていただくことがとても多い職場です。

 

 

 

理学療法士として福祉の分野でも力になれるよう努力を積み重ねることの必要性を痛感しています。

 

デイサービスでのお仕事

こんにちは。理学療法学科の塚本です。今回は、私の臨床業務先であるデイサービスでの仕事についてご紹介します。

 

 

あまり聞きなれないかもしれませんが、“デイサービス”とは“通所介護”の通称で、自宅から施設に通いながらQOL(生活の質)向上を目指す介護サービスのことです。

 

 

 

 

利用日数は利用者さんにより週1~5日と異なりますが、他の利用者さんと交流をしたり、食事・入浴といったサービスの他、機能訓練も受けられるのが特徴です。

 

 

私が関わっているのはこの“機能訓練”です。

 

 

注:“リハビリ”とは微妙に異なって、理学療法士が関わっているかどうかは施設により異なります。

 

 

利用者さんの人数や新規or常連さんかどうかは日により異なりますが、内容は主に以下の3つです。

 

 

〇 個人にあった運動プログラムの立案、修正

(時間があれば実際に運動してチェック)

 

 

〇 定期的な身体機能の評価

 

 

〇 お悩み相談

 

 

 

ぱっと見、病院で行っていることと変わりませんが、大きく異なる点がいくつかあります。

 

 

 

【1.理学療法士が直接関わる頻度が少ない】

 

 

私がデイサービスに行くのは月に数回、つまりプログラム立案はするけれど、

 

 

①実施はスタッフさんにやってもらう

 

 

②なにかあってもすぐフォローできない

 

 

…のです。

 

 

ですからこの場合、テクニックを要するプログラムはNGで“誰でも”できて“再現性がある”ことが大切です。

 

 

 

また、負荷が強くて翌日痛みが起きてしまっても対処できないので、運動の設定は利用者さんの状態を見極める必要があります。

 

 

 

難しくはありますが、うまくプログラムを組めると歩けなかった方が歩けるようになったり、介助量が減ったり…と効果は明らかなので、やりがいはあります。

 

 

 

 

 

 

【②様々な状態の利用者さんがいる】

 

 

私の通っている施設では常時20人前後の利用者さんがいらして、なにか疾患を抱えている方も少なくありません。

 

 

〇 手術をして昨日退院したばかり

 

 

〇 手足が麻痺して動かない

 

 

〇 肺炎後で全身体力が落ちている

 

 

〇 脳腫瘍で徐々に症状が進行している

 

 

…など。

 

 

 

このため、様々な疾患について把握しておく必要がありますし、病院と違ってレントゲン写真や検査データもないことが多いので予想して対応しなければいけないこともあります。

 

 

ですから、どんな状況でも利用者さんが満足する結果をだせるよう、日々の準備が大切だと改めて感じます。

 

 

 

また、パズルをしている間は運動拒否される、お風呂の前だったら運動してくれる、など利用者さんにより好み、こだわりも異なるので個人にあわせた工夫も必要です。

 

 

 

 

“Aさんは機械運動が好きだからこちらに誘導して…”

 

 

“Bさんは評価をしてから平行棒で…”

 

 

“あ、Cさんはもうすぐ入浴時間になるから先に声をかけないと…”

 

 

 

…など毎回頭をフル稼働させています(笑)。

 

 

限られた時間で結果を出すというプレッシャーはありますが、今日はどんな利用者さんがいらっしゃるのか、あの利用者さんはお元気だろうか、など私も毎回楽しみにしています。

 

 

以上、デイサービスでのお仕事紹介でした。