
理学療法士の副業は可能?おすすめの仕事と注意点
監修:日本リハビリテーション専門学校 鍋城 武志(理学療法士)
理学療法士の副業は、勤務先の就業規則で認められていれば可能です。近年は働き方の多様化が進み、職場によっては申請を行うことで副業を可とするケースも増えています。
理学療法士が副業を行う最大のメリットは、本業以外の収入源を確保できる点にあります。また、異なる環境で経験を積むことは自身のスキルアップにもつながります。
一方で、公務員として働く場合や、就業規則で一律禁止されている職場では注意が必要です。まずは自身の雇用契約を正しく把握し、ルールに基づいた行動が求められます。
以降では、理学療法士の資格を活かせるおすすめの仕事内容や、具体的な探し方について詳しく解説します。
理学療法士の間で副業への関心が高まっている理由
理学療法士の間で副業への関心が高まっている背景には、収入面での課題が挙げられます。
理学療法士の年収は、他の医療専門職と比較して大幅な昇給が見込みにくく、将来のライフプランを考えた際に経済的な不安を感じる人が少なくありません。
そのため、本業以外の収入源を確保し、生活の安定や自己投資の資金を得るために副業を検討するケースが増えています。
そもそも理学療法士の副業は認められている?
理学療法士が副業できるかどうかは、勤務先の就業規則に依存します。
法律で理学療法士の兼業が一律に禁止されているわけではないため、民間の医療機関や施設では副業を認めているケースも多いです。
しかし、公務員として働く理学療法士は法律で原則禁止されているなど、立場によってルールが異なります。
まずは自身の雇用形態と職場の規則を確認することが不可欠です。
まずは勤務先の就業規則を必ず確認しよう
副業を始める前に、必ず勤務先の就業規則を確認しましょう。
企業によっては副業を全面的に禁止している場合や、許可制を採っている場合があります。
「副業ok」であっても、同業他社での勤務を禁止していたり、本業への支障が出ないことを条件としていたりするケースが一般的です。
後々のトラブルを避けるためにも、事前に人事部や上司に相談し、許可の要否や認められている副業の範囲を明確にしておくことが重要です。
無断で副業を始めて懲戒処分の対象にならないよう、慎重に行動してください。
【要注意】公務員の理学療法士は法律で副業が原則禁止されている
公務員として国立病院や公立病院などで働く理学療法士は、国家公務員法や地方公務員法により、原則として副業が禁止されています。
これは、職務の公正性を保ち、国民全体の奉仕者としての職務に専念する義務があるためです。
許可なく営利目的の企業を経営したり、他の仕事に従事して報酬を得たりすることはできません。
ただし、不動産投資や農業、あるいは社会貢献性の高い非営利活動など、一定の条件下で許可されるケースも存在します。
これらの場合でも、事前に任命権者の許可を得ることが必須であり、無許可で行うと懲戒処分の対象となるため注意が必要です。
【資格・経験を活かせる】理学療法士におすすめの副業5選
理学療法士の資格や専門知識を活かせる、おすすめの副業は多岐にわたります。
本業のスキルアップにつながる非常勤勤務やスポーツトレーナーから、在宅で取り組めるWebライターやブログ運営まで、ライフスタイルに合わせて選択可能です。
ここでは、具体的な仕事内容や働き方を含めて、代表的な5つの副業を紹介します。
他の施設で非常勤として働きスキルアップを目指す
現在の職場とは異なる分野の医療機関や施設で、非常勤として働くことは有効な選択肢です。
例えば、クリニックや訪問リハビリステーション、整体院などで土日や平日の夜間を利用して勤務します。
本業では経験できない症例や環境に触れることで、自身のスキルアップに直結します。
特に訪問リハビリは、在宅医療の視点や利用者との密なコミュニケーション能力を養う良い機会になります。
整体やマッサージの知識を活かし、コンディショニング分野で活躍の場を広げることも可能です。
時給制の求人が多く、安定した収入を見込める点も魅力です。
スポーツトレーナーとして選手のコンディションを支える
理学療法士の知識は、スポーツ分野でアスリートをサポートするスポーツトレーナーの仕事に直結します。
プロチームやアマチュアチーム、個人のアスリートと契約し、身体機能の評価、ケガの予防、パフォーマンス向上のためのトレーニング指導、応急処置、リハビリテーションなどを行います。
特に、機能解剖学や運動学の専門知識は、選手のコンディションを的確に把握し、科学的根拠に基づいたサポートを提供する上で大きな強みとなります。
週末だけの帯同や、ジムでのパーソナルトレーナーとして活動するなど、柔軟な働き方が可能です。
セミナーや研修会の講師として専門知識を伝える
理学療法士としての専門知識や臨床経験を活かし、セミナーや研修会の講師として活動する方法もあります。
自身の得意分野、例えば特定の疾患に対するリハビリテーション技術や、介護予防に関する知識などをテーマに、他の理学療法士や医療・介護従事者、あるいは一般市民向けに講演を行います。
理学療法士の資格を持つ講師は信頼性が高く、需要も少なくありません。
自身の知識を体系的に整理し、プレゼンテーション能力を磨く良い機会にもなります。
仕事は依頼を受けるほか、自分でセミナーを企画・開催することも可能です。
Webライターとして医療・健康分野の記事を執筆する
専門知識を活かして、在宅で取り組める副業としてWebライターも人気があります。
医療機関のウェブサイトや健康情報メディアなどで、一般の方向けに病気やケガ、リハビリテーションに関する記事を執筆します。
理学療法士という国家資格を持つ専門家が書く記事は信頼性が高く、高単価の案件を獲得しやすい傾向があります。
パソコンとインターネット環境があれば、時間や場所を選ばずに作業できるため、本業との両立がしやすい点が大きなメリットです。
クラウドソーシングサイトなどで未経験からでも始められる案件を見つけられます。
ブログやSNSで情報を発信し広告収入を得る
自身のブログやSNSアカウントを開設し、理学療法士としての専門知識や経験に基づいた情報を発信して広告収入を得る方法もあります。
例えば、一般の方向けの健康情報、セルフケアの方法、学生向けに国家試験の勉強法などをテーマにコンテンツを作成します。
ブログに掲載した広告がクリックされたり、紹介した商品(アフィリエイト)が購入されたりすることで収益が発生します。
すぐに収入につながるわけではなく、継続的な情報発信と集客の工夫が必要ですが、自分のペースで取り組める点が魅力です。
理学療法士が副業で得られる3つのメリット
理学療法士が副業を持つことは、単に年収を増やすだけでなく、専門家としてのキャリアにも多くのプラスの効果をもたらします。
本業では得られない新しい知識やスキルを習得できたり、異なる分野の人々と交流することで人脈が広がったりと、将来の可能性を広げるきっかけになります。
ここでは、副業がもたらす3つの主要なメリットについて解説します。
本業の給与に加えて新たな収入源を確保できる
副業の最も直接的なメリットは、収入の増加です。
理学療法士の給与は経験年数と共に緩やかに上昇する傾向にありますが、大幅な年収アップは難しい場合も少なくありません。
副業によって月に数万円でも追加の収入があれば、生活にゆとりが生まれ、貯蓄や自己投資に回せる資金が増えます。
将来の結婚や育児といったライフイベントに備えることもでき、経済的な安定は精神的な安心感にもつながります。
収入源を複数持つことで、万が一本業の収入が不安定になった際のリスク分散にもなります。
専門分野におけるスキルアップや新しい知識の習得につながる
本業とは異なる環境で働くことで、理学療法士としてのスキルアップが期待できます。
例えば、普段は急性期病院で勤務している人が、副業で訪問リハビリを経験すれば在宅医療の知識が深まります。
スポーツトレーナーとして活動すれば、予防やコンディショニングに関する実践的なスキルが身につくでしょう。
このように、副業は新たな視点や技術を学ぶ絶好の機会となり、本業にも良い影響を与えます。
資格の勉強だけでは得られない臨床経験を積むことで、より幅広い視野を持つ専門家へと成長できます。
将来の転職や独立開業に向けた人脈を広げられる
副業は、本業の職場だけでは出会えない多様な人々と関わる機会を生み出します。
他の医療機関のスタッフやスポーツ選手、Webメディアの編集者など、異なる分野の専門家との交流を通じて人脈を大きく広げることが可能です。
こうしたつながりは、将来のキャリアを考える上で貴重な財産となります。
例えば、副業先での活躍が評価され、より条件の良い職場への転職につながるケースや、独立開業する際に協力者となってくれる仲間が見つかることもあります。
求人サイトを探すだけでは得られない、新たなキャリアの選択肢が広がる可能性があります。
理学療法士が副業を始める前に知っておきたいデメリット
副業には多くのメリットがある一方で、時間的な制約や自己管理の負担といったデメリットも存在します。
特に、本業との両立は想像以上に大変な場合があり、確定申告などの慣れない手続きに戸惑うこともあるでしょう。
メリットだけに目を向けるのではなく、こうしたデメリットも事前に理解し、自分にとって無理のない範囲で始められるかどうかを慎重に判断することが大切です。
プライベートの時間が減り本業との両立が難しくなる
副業を行うということは、本業以外の時間、つまり休日や平日の夜などを仕事に充てることを意味します。
そのため、必然的に趣味や友人との交流、休息にあてるプライベートの時間が減少します。
無理なスケジュールで兼業を続けると、心身ともに疲労が蓄積し、本業のパフォーマンス低下につながる恐れがあります。
最初は意欲的に取り組めても、次第に両立が負担になることも少なくありません。
自分の体力や時間を客観的に把握し、本業に支障が出ない範囲で活動することが重要です。
確定申告などの税金手続きを自分で行う必要がある
会社員の場合、税金の計算や納付は会社の年末調整で完結することがほとんどです。
しかし、副業で年間20万円を超える所得を得た場合は、個人で確定申告を行う義務が生じます。
これには、日々の収入や経費を記録・管理し、帳簿を作成した上で、定められた期間内に税務署へ申告書類を提出する必要があります。
税金に関する知識を学んだり、煩雑な書類作成を行ったりする手間と時間がかかる点は、デメリットと言えます。
申告を忘れると追徴課税などのペナルティが科されるため、責任を持って手続きを進めなければなりません。
理学療法士向けの副業案件を見つける具体的な方法
副業を始めようと決めたものの、具体的にどうやって仕事を探せばよいか分からないという人も多いでしょう。
理学療法士の資格や経験を活かせる求人は、専門の求人サイトから在宅ワーク向けのマッチングサービスまで、様々な場所で見つけることが可能です。
ここでは、自分に合った副業案件を効率的に見つけるための具体的な方法を3つ紹介します。
求人サイトで「非常勤」や「週1日OK」の条件で検索する
理学療法士や医療・介護職専門の求人サイトを活用するのが最も一般的な方法です。
これらのサイトでは、雇用形態を「非常勤」や「アルバイト」に設定し、「週1日OK」や「土日のみ」といった条件で絞り込むことで、副業に適した求人を効率的に探せます。
特に、クリニックやデイサービス、訪問リハビリステーションなどでは、週末や特定の曜日だけ働けるスタッフを募集しているケースが多く見られます。
複数の求人サイトに登録し、希望条件に合った新着求人の通知を受け取るように設定しておくと良いでしょう。
クラウドソーシングサイトでWebライターなどの在宅ワークを探す
在宅でできる副業を探している場合は、クラウドソーシングサイトの利用がおすすめです。
これらのサイトには、専門知識を持つWebライターを募集する案件が多数掲載されており、「医療」「健康」「リハビリ」といったキーワードで検索すると、理学療法士の知見を活かせる仕事が見つかります。
記事執筆以外にも、医療系コンテンツの監修や、オンラインでの健康相談といった案件もあります。
時間や場所の制約を受けにくいため、本業のすきま時間を使ってライターとして活動したい人に適しています。
知人や同僚からの紹介で仕事を得る
信頼できる知人や元同僚、セミナーなどで知り合った同業者からの紹介も、有力な仕事探しの方法です。
いわゆる「縁故」や「コネ」と呼ばれるルートは、一般的な求人サイトには掲載されていない、条件の良い非公開案件につながる可能性があります。
特に、スポーツトレーナーの帯同やセミナー講師といった仕事は、人づてで依頼が来ることが少なくありません。
日頃から周囲との良好な関係を築き、副業に興味があることを伝えておくと、思わぬところから声がかかることがあります。
理学療法士の副業に関するよくある質問
理学療法士の副業を検討するにあたり、多くの人が収入の現実性や税金手続きの具体的な方法、必要な経験年数などについて疑問を抱きます。
ここでは、そうした理学療法士の副業に関するよくある質問とその回答をまとめました。
これから副業を始める上での不安や疑問を解消するための一助としてください。
副業で月5万円稼ぐことは現実的に可能ですか?
はい、現実的に可能です。
例えば、時給2,000円の非常勤の職場で週に6〜7時間働けば達成できます。
Webライターの場合、文字単価2円の案件で2万5千字を執筆すれば達成可能です。
本業のスキルや経験を活かすことで、より高い年収を目指せます。
副業がバレないための確定申告は具体的に何をすればいいですか?
確定申告書の第二表「住民税・事業税に関する事項」内にある「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」の項目で「自分で納付」にチェックを入れます。
これにより副業分の住民税納付書が自宅に届き、会社に通知が行くのを防げます。
理学療法士としての実務経験が浅くても始められる副業はありますか?
はい、あります。
専門知識を文章で伝えるWebライターや、基本的な知識を活かせる健康情報サイトの記事監修などは、臨床経験の長さを問われにくい仕事です。
また、整体院でのコンディショニング補助など、高度な技術を要しない業務から始めることも可能です。
まとめ
理学療法士の副業は、収入増加だけでなく、スキルアップや人脈形成にもつながる有効な手段です。
成功の鍵は、まず勤務先の就業規則を遵守すること、そして年間所得が20万円を超えた場合は確定申告を正しく行い、住民税の納付方法を「普通徴収」に設定することです。
資格を活かせる非常勤勤務やスポーツトレーナー、在宅で可能なWebライターなど多様な選択肢の中から、自身のライフスタイルやキャリアプランに合ったものを選び、本業に支障が出ない範囲で取り組むことが重要です。






















