理学療法士・作業療法士のキャリアアップとは。

理学療法士・作業療法士のキャリアアップとは

理学療法士・作業療法士とひとくくりにしても、実際に働く形は人それぞれです。まず、働く場所によってその先に描けるキャリアプランが変わってくるでしょう。

働く場所は、病院やリハビリテーションセンターが多いですが、福祉施設や小児に特化した施設、訪問リハビリなど様々です。そして任されている仕事に合わせて専門的な業務も多岐にわたります。

キャリアアップを目指すなら、まずは専門性のある技能を伸ばして自分の任されている分野のスペシャリストになることでしょう。

例えば現場で主任になったり、セミナーや勉強会に参加して手技を磨き、そういったセミナーを開く側のスペシャリストになれるよう努力する道です。

技能が上がれば立場的にも出世することになり年収や待遇が良くなったり、仕事の幅が増え活躍の場が広がることにも繋がります。そして何より日々対面する患者様により良いリハビリテ―ションを提供できることになります。

技能を伸ばし、リハビリスーパーバイザーと呼ばれるスペシャリストになることができれば、新しくリハビリプログラムを開発したり後輩育成のプランを考えたりする仕事もすることができます。責任も広がりますが、自分の理想とするリハビリテーションを極められ、思い描いたリハビリテーションが実現できるため、非常にやりがいのある仕事です。

経営側へのキャリアアップや独立開業

理学療法士・作業療法士の管轄はリハビリテーションに関するところまでですが、さらにその先の病院経営や施設のマネジメントを行う方向にキャリアアップすることもできます。

大きな規模を見れば見るほど現場からは離れていってしまうことになるので、舵を切る前に「自分はどんな仕事がしたいのか?」「10年後はどういった姿で働いていたいのか?」をしっかりと考える必要があります。

大病院の経営側に一理学療法士・作業療法士が関わるようになるには道のりが遠いですが、例えば訪問リハビリテ―ション施設などで新しく別の地域にも施設を増やしたいとなったときに新施設の担当を任されたりすることはよくあります。

理学療法士・作業療法士の知識とはまた別の経営やマネジメント、経済について学ぶ必要が出てくるでしょう。こういった場合は自分の施設に対しての考えだけでなく、いろんな施設のやり方や最新情報を知って対策していくのが近道です。そのような情報を得るためにも、理学療法士・作業療法士同士の繋がりや養成学校時代の教師に相談できる環境があるとよいですね。

また、独立開業して一国一城の主になるという道もあります。ただし理学療法士・作業療法士の資格は独立開業できる資格ではないので、独立開業が可能である資格を別途取得する必要があります。独立開業権のある柔道整復師を取得して接骨院を開くケースなどは多いです。

独立開業することは非常に難しいですが、まだ世の中にないオリジナルの施設を考案し作り上げていけるため魅力的なキャリアアップの道でしょう。

理学療法士・作業療法士は常に勉強が必要な職業

スペシャリストになる道を選んでも、経営や独立開業の道を選んでも、理学療法士・作業療法士である限り常に勉強は必要です。キャリアアップを目指すのであれば猶更、医学の進歩に合わせて常に研究し、コミュニケーションスキルにおいても学びを重ね、都度新しい知識と技術を吸収していかなければなりません。

理学療法士・作業療法士を目指している段階では国家資格取得がゴールのように感じてしまいますが、一生ものの資格であることを考えると資格取得はまだまだスタートラインに立った段階と言えます。

その先何十年と業界にいる場合、最初に就職した職場だけでなく様々なジャンルの職場を渡り歩く可能性もあります。そんな中で困難に出会うこともあるかもしれませんが、資格取得を目指す段階で決意した志や一緒に頑張った仲間がいれば乗り越えられるでしょう。

理学療法士を目指す高校生に必要な科目と今のうちにやっておきたいこと

理学療法士を目指している高校生の多くが、「理系に進んだ方が良いのだろうか?」「文系でも理学療法士になれるのかな?」「今のうちに勉強しておいた方が良い科目はあるかな?」と、一度は考えたことがあるのではないでしょうか。

そこで、この記事では高校生が高校で勉強した方が良い科目と、高校生のうちにやっておいた方が良い事をまとめます。

高校で勉強した方が良い科目

理学療法士を目指している高校生が不安に思っているであろう「文系・理系」の問題ですが、結論から言いますとどちらでも特に大きな問題はありません。

高校生のうちにしっかり勉強しておくと、理学療法士養成校に入学後役立つのは特に以下の科目です。

・国語
・数学
・理科(物理・化学・生物)
・英語
・体育

これらの科目は、理学療法士として必要な基礎知識を身につけるのに役立ちます。特に重要な科目は、国語です。意外かもしれませんが、国語は、論理的思考力を養うため、また難しい医療分野の教科書を読んだり、レポートをまとめたりするために必要となります。

また数学は、理学療法士の専門的な知識を理解するため。理科は、身体の仕組みを理解するため。英語は、研究論文を読むために必要です。体育は、運動能力を向上させるためにそれぞれ必要です。

 

 

さらに、理学療法士の仕事の中でとても大切なスキルの一つに「患者さんとコミュニケーションをとること」があります。そのため、高校でコミュニケーション能力を高めるための科目を勉強しておくと良いでしょう。例えば、英語、国語、社会科、歴史、心理学などの科目です。

理学療法士になるには、大学や専門学校で理学療法士養成課程を修了する必要があります。そのため、高校で勉強した科目は、大学や専門学校での勉強に役立ちますが、結局のところは、「進学先の大学や専門学校でどれだけ頑張って勉強できるか」がとても重要になります。

文系・理系はどちらでも構わないので、今できる勉強をしっかりやって、1日30分でも良いので机に向かって予習・復習を行い「勉強する習慣」を付けておくとよいでしょう。

コミュニケーション能力を高めよう!

理学療法士になる上で必要なことは、学校の勉強だけではありません。コミュニケーション能力を高めておくことも必要です。人と接する経験を積んでおける機会があれば、利用しましょう。

最も良いのは、部活動やアルバイトでしょう。部活動ではきちんとした挨拶ができるようになったり、チームメイトを思いやった会話ができるようになったりと人と人との関わり方を学ぶ上で最上の場だと言えます。アルバイトについては、単純作業ではなく人と接する仕事を選ぶとより良いでしょう。

スポーツジムで担当のお客さんにアドバイスをしたり、トレーナーとしてプログラムを考えたりする仕事ができるとなお良いですね。

理学療法士になると、患者さんと直接コミュニケーションをとっていくことになります。その患者さんに対して、どんなリハビリが一番いいのか。何を話すべきなのか。こういったことについて適切な判断をするために、相手の気持ちを理解することのできるコミュニケーション能力は、とても重要なのです。

患者さんとうまくコミュニケーションがとれるようになり、的確なリハビリができるようになると、患者さんの満足度が高まり、特に訪問リハビリなどでは、患者さんの口コミで評判が広がって、仕事につながっていくこともあります。

電話の対応や、挨拶の仕方、言葉づかい、メールの送り方など、社会人としてのマナーも早めに学んでおきましょう。

自分から勉強する環境を整えよう!

理学療法士は、理学療法士になってからも勉強し続ける仕事です。日々医療は進化していますし、自らの手技を高めていく必要があるからです。

変わっていく世の中に対応していく力も求められます。日本理学療法士協会は、社会保障制度論、医療経済学、栄養学、画像診断学、救急救命医学、理学療法管理学、予防理学療法学などを、新たに学習すべき科目として挙げています。今後はこのような勉強が必要になってきそうです。

そのために、養成校で学ぶカリキュラムの内容だけでなく、自分から勉強していく環境を整えておきましょう。

理学療法士を目指す人必見!理学療法士に向いている人、柔道整復師に向いている人

理学療法士と柔道整復師は似ている?

理学療法士と柔道整復師は、どちらも専門学校等の養成校で勉強し、国家資格を取得しなければなれない仕事です。仕事内容は、患者さんに実際に接し、怪我などを「施術」または「治療」します。また、理学療法士と柔道整復師は、高齢者社会や患者さんの多様化により年々需要が増している職業でもあります。それに伴い志望者も増加傾向にあります。

以上の面では理学療法士と柔道整復師は似ている職業であり、はっきりと違いがわからない人も多い資格ですが、資格自体は全く異なるもので、行う施術や治療も違います。

どちらの資格も活躍の場としては、病院のリハビリ科や整形外科・スポーツの現場・介護予防施設などの福祉施設等々、似た場所で働くことができます。ですが、柔道整復師については開業権があり、理学療法士にはありません。そのため、将来開業をして活躍したい人、接骨院や整骨院を経営したい人は柔道整復師の資格を取得しています。

理学療法士に向いている人とは

理学療法士に向いている人は、人とのコミュニケーションが好きな人です。さまざまな患者さんやそのご家族とコミュニケーションをとる機会が多く、また医師や看護師、リハビリ職に関わる他資格の人たちとも連携して仕事をしなければなりません。人のために何かをしたいという気持ちが強く、しっかりと一人一人に向き合える人が向いています。

理学療法士は医師の診断に基づいて、リハビリプログラムを自分たちで立案し実行していきます。病院や施設、クリニックなどに所属して活躍されていく方が多い一方、近年では自分で施設を立ち上げる方や個人事業主として活躍される方も増えてきました。

また、リハビリの仕事は患者さんだけでなく理学療法士自身が実際に身体を動かして仕事を行う場面がたくさんあります。デスクワークを主とする仕事とは違い、身体を動かすことが好きな方が向いているでしょう。スポーツが得意であったり筋力がなければならないというわけではなく、あくまで身体を動かしている方が楽しいと思える方におすすめです。

柔道整復師に向いている人とは

柔道整復師は開業権のある資格なので、「こんな施術がしたい」「こんな接骨院を作りたい」などの自分で施設自体を変えていきたいという気持ちがある方は柔道整復師が向いています。もちろん実務経験を積むことは大切なのですぐに開業というわけにはいかないと思いますが、将来的に開業し、今までにない新しい接骨院を作る方や地域に貢献できる施設を開業する人が多くいます。

その他では、柔道整復師は「柔道整復術」として、人の治癒能力を利用して固定や整復といった手法を使い治療を行います。ですので、手先が器用であることも必要です。包帯を巻いたり、テーピングをしたりなど、手先を動かす仕事があるためです。理学療法士の場合は病院で他の職種の方が細かな看護師が行う場合もありますが、柔道整復師は柔道整復師自身が一人の患者さんに対しての施術をすべて行う場合が多いです。

また、柔道整復師も理学療法士と同じく、コミュニケーションを取るのが得意な方が向いています。同様に患者さん、そのご家族とお話する機会が多いためです。