日本のPNFインストラクターが集う「PNF 1dayセミナー」が開催されました

2023年11月19日、東京高田馬場にある理学療法士と作業療法士の養成校「日本リハビリテーション専門学校」にて、日本のPNFインストラクターが集う「PNF 1dayセミナー」が開催されました。

 

 

今回のセミナー開催をサポートした当校理学療法学科専任教員である内山先生が、IPNFAアドバンスインストラクターである松田現氏とその模様を振り返ります。この記事では、二人の対談を一部抜粋して紹介します。

 

 

 

 


 

《注1:PNFとは》

 

PNF(Proprioceptive Neuromuscular Facilitation)は、理学療法やリハビリテーションの手法の一つです。主に筋肉の柔軟性や機能を改善し、運動制限を緩和するために使用されます。PNFは、筋肉の強化、神経系の活性化、運動の正確性向上に効果があり、広範な神経・筋肉障害の治療やスポーツのパフォーマンス向上に利用されています。

 

 

《注2:IPNFAとは》

 

IPNFA(International Proprioceptive Neuromuscular Facilitation Association)は、PNF技術を推進し、教育・認定プログラムを提供し、国際的なPNFコミュニティを支援する組織です。PNFの普及と標準化に貢献し、医療専門家に高品質なトレーニングとリソースを提供します。

 


 

学生も参加できるPNFセミナー

 

 

内山「日リハとしても久しぶりに多くのPT,OTが集う(60名)大規模なセミナーで、事前準備も不十分で不安ばかりでした。」

 

 

松田「初めての試みなので、こちらサイドとしても多くの不安がありましたが、会場も東京の主要な駅(高田馬場)からとても近いので、むしろスムーズに物事が運んだ印象のほうが強いですね。」

 

 

 

 

内山「学生の助けもありがたかったですよね? PNFに興味を持っている学生も参加させてもらいながら、お手伝いしてくれたのはとてもありがたかったですね。また学生の参加についてインストラクターの皆さんに快く了承いただいたことはとてもありがたかったです。」

 

 

松田「内山先生は距離近いよね?学生さんたちと(笑)」

 

 

内山「そうなんですよね、ほんとに(笑)。ほかの学校の教員もウチの学生との距離感の近さに驚かれます。まあそれがいい意味なのかは分からないですが(苦笑)。でもかわいい学生だと思いませんか?」

 

 

松田「確かに治療デモでモデルやってもらったりね。ありがたかったです。全員がああいう学生なの?」

 

 

内山「全員だったらいいんですけどね?正直ただ資格を取りたいという学生や、なかなか勉強へのモチベーションが上がらない学生ももちろんいますね。そういう学生にPTのすばらしさを知ってもらうためにも今回のセミナーは大きな第一歩になったと思います。」

 

 

 

 

駅近くで使いやすい教室

 

 

松田「我々としてもインストラクターが一斉に集まるイベントって初めてだから、不安があったけど20台くらい電導の昇降式のベッドが使えたり、ワイヤレスマイクもあったので参加者からは講義も実技もやりやすかったと声をいただいております。」

 

 

内山「今回セミナーで使用したのは第三校舎という駅から最も近いスペースですが、その他にもイセビルというもっと広い実技室と電動昇降ベッドが配置されたスペースや本校舎、新目白通り沿いの図書館を兼ねそろえた第二校舎等、歩いて移動できるハードとソフトをが確保されているのが当校の売りかと思います。」

 

 

松田「確かにそういうところを大きいね。学生さんたちも授業受けやすいだろうね?」

 

 

 

 

高田馬場という街の魅力

 

 

内山「ただ、近距離ではありますが授業によって校舎を移動する場合があるので個人的には寒い時期はこたえますね。学生は若いからいいでしょうけど(笑)。あと余談ですが学生が移動時に目についた店のこと話したりしてますね。「今度あの店に食べに行こうよ」とかそうい話ばかり授業前にしています。先生はいったことありますかとか」

 

 

松田「確かに!美味しそうな飲食店が近くにいっぱいあったものね?ラーメン好きの内山先生的にはおすすめはどこですか?」

 

 

内山「最近できた池田屋さんというラーメン屋さんはおすすめです。ここも学生に教えてもらいましたね(笑)私も学生におすすめの店を教えて情報交換してますね」

 

 

 

 

 

日リハの授業とPNF

 

 

松田「なるほどね。ところで教えるのはラーメン屋だけじゃなくてPNFも教えているの?」

 

 

内山「昨年からPNFの授業を担当しています。昼間部・夜間部ともに15コマとかなりカリキュラムの中でも力を入れています。」

 

 

 

 

松田「それはインストラクターとしても喜ばしいことだよ。手に武器を持つセラピスト育てる学校って現代においてかなり稀有だと思う。」

 

 

”PNFを学びたいなら日リハ”を目指して

 

 

内山「ありがとうございます。では最後に松田先生のほうから今回のセミナーの総括をいただければとおもいます。」

 

 

 

 

松田「今回コロナ後、そして日本としては初のインストラクターが初めて勢ぞろいしたPNFミーティングを日本リハビリテーション専門学校様のご協力のものと開催することができ本当に感謝しています。またこのすばらしい環境を持つ日リハでPNFに関係する様々なセミナーが開催出来たらありがたいです。」

 

 

内山「PNFを学びたいなら日リハ、と世間に認知されるように僕としても様々な企画をしていこうと思います。本日はお忙しい中このような時間を作っていただきありがとうございました。」

 

 

 

理学療法学科の内山先生は、インターハイや国体で水泳選手を陰から支えるトレーナー!

理学療法学科夜間部の内山先生は、幼少期から水泳選手として活躍していて、小学生の時には、先生の地元の新潟県大会で自由形で1位にもなった事があるそうです。

 

 

そんな内山先生は、2016年から新潟県の水泳チームにトレーナー(理学療法士)として帯同しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

今年の9月末に鹿児島で開催された国体にも、新潟県チームのトレーナーとして帯同し、選手のケガ・痛みの回復などのケアや、パフォーマンスアップに取り組んでいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実は、国体に向けた強化合宿(新潟県長岡)にも帯同して、選手たちともコミュニケーションを図っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、選手たちとのコミュニケーションを継続することは、トレーナーとしてとても大切ですね。

 

 

 

 

 

 

日本リハビリテーション専門学校では、普段の授業の中でも、こうして現場で活躍されている先生から、直接教えてもらう事が出来るので、実践力を付けていく事ができるのです。

 

 

 

最後に、長岡市での合宿中に開催されていた花火大会の素敵な写真をおすそ分け。

 

 

 

 

 

 

理学療法士とスポーツの関わり|競泳選手のサポートを行う日リハPT学科の内山先生

スポーツ選手と関わることも多い理学療法士。理学療法士を目指される方の中には、将来はスポーツ分野で活躍したいと考えている方も少なくないのではないでしょうか。

 

日リハ理学療法学科の内山先生は、理学療法士として競泳選手のサポートを行っていて、2022年10月に開催された「いちご一会とちぎ国体」では、競泳のチームスタッフとして活躍されました。

 

アスリートのサポートを行うため、国際PNF認定セラピストやBOBATHセラピストにもなり、日々の自己研鑽を怠らないと言う、内山先生。

 

そんな内山先生に、スポーツ選手と関わる事になったきっかけ、アスリートと関わるために大切な事や本校の授業でのフィードバックについてなど、お話を伺いました。

 

 

 

Q:内山先生は日リハでの教員の他に、国体や日本選手権など主要な大会に理学療法士として帯同されていますが、競泳選手に関わるようになった経緯を教えてください。

 

内山:もともと自分自身も競泳をやっていて、選手時代にお世話になった理学療法士の先生がいまして。理学療法士になってからトップチームのケアを見学させてほしいと冗談で言っていたら「じゃあ明日から来れる?」と聞かれ、勢いで「はい」と答えたのがきっかけです。

 

実際には次の日から強化選手の合宿で見学ではなくケアスタッフの一員としてしばらく帯同することになるんですけどね。

 

 

2017年5月の日本選手権では、元100mバタフライ日本記録保持者の河本耕平さんをサポート

 

 

Q:競泳以外にスポーツ選手に理学療法士として関わることはありますか?

 

内山:以前はスポーツ整形クリニックで働いていたので、バレーボール、野球、テニス、陸上、格闘技など様々なスポーツに関わらせていただいています。変わり種ではラクロスやセパタクローの選手なんかもいましたね。

 

 

Q:スポーツ選手に理学療法士として関わる上で、特に心がけていることはありますか?

 

内山:プロの選手はその仕事で報酬をもらうわけです。

 

たとえ運動学的に正しいことをしても、素晴らしいトレーニングをしても、結果に繋がなければ意味がありません。つまり結果が全てです。例をあげると身体がかなり非対称の選手を左右対称になるよう矯正したら、故障は少なくなったが成績が悪くなったなんてこともありますから。

 

だからこそ、運動学的な理論やトリートメントをしながら、選手の細かな要望を聞きすり合わせていく作業が重要だと個人的には思います。それと、結果につながるためであれば相談に乗ったり、一緒にサウナにいったりとPTの仕事ではないと考えられるようなことも何でもやります。

 

 

2022年10月の「いちご一会とちぎ国体」では競泳のチームスタッフとして活躍

 

 

 

Q:これまでにかかわったスポーツ選手で、心に残るエピソードがあれば教えてください。

 

内山:自分が関わった選手が「初めて感じる感覚です」とか、「常に帯同してほしい」と言われるのはうれしいです。選手がレースで記録や優勝などももちろんうれしいですが、以前関わったことがある選手が日本代表に入りTOKYO2020に出場したのは感慨深いものがありました。

 

 

Q:本校の授業で、こうしたご経験を学生に対してフィードバックすることはありますか?

 

内山:スポーツ現場で用いる技術やテクニックに関しては授業を通して伝えさせていただいています。幸い、実技の授業を多く担当させていただいていますが、学生さん達も楽しそうに一緒に学んでくれていますね。

 

 

Q:スポーツ選手に関わるために特別に学んでいることはありますか?

 

内山:私自身は理学療法士以外の国家資格は持っていませんが、PNFという感覚を刺激し運動を引き出すような治療コンセプト(もともとはポリオの治療に開発された治療法)を学び続けています。

 

2015年に国際PNF協会認定セラピストになりました。同じようにBOBATHという中枢神経疾患に対して行うコンセプトも学んでいまして2018年にBOBATHセラピストにもなりました。この2つのコンセプトは、本来は中枢神経(脳・脊髄)にアプローチするものですがアスリートのみならず整形疾患を抱えるクライアント様に応用活用し、私の施術の中心となっています。ひょっとしたらトレーナーの中では異質かもしれません(笑)が、運動パフォーマンスの向上を皆実感してくれています。

 

もちろんほかにもマリガンコンセプトやマイオチューニング、筋膜系の治療コンセプトなどの痛みを取り除くような様々なことも学んでいます。まあ、個人的には一生勉強だと思っています。

 

 

日本大学水泳部の杉山コーチとは、PNF認定コースを一緒に受講して以来の友人

 

 

 

Q:これから理学療法士(スポーツ選手との関わりを目指す方を含めて)を目指す方々へのメッセージをお願いします。

 

内山:スポーツの場合は突然(例えばレースの直前に)オーダーが入り、その場で解決しなければならないことが多いのですが、そこで対処できるかどうか?表情は変えず冷静に対応しつつ、実は脳はフル回転で大汗をかいています。

 

ですから、そういう時に自分の学んできたことや引き出しの多さが試されます。自分的にはそういうヒリヒリした現場に身を置いていたいし、そういった真剣勝負をさせてくれる環境が自分を成長させてくれると思っています。

 

ちなみに本学ではPNFの授業もかなり多くコマ数に入っており、より専門的な技術を身に着けることができると思いますので、入学された方にはより細かく自分の培ってきたものを伝えていきたいと思います。

 

 

 

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