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アメリカで作業療法士として働くには?資格取得の条件と年収を解説

2026.02.21

作業療法

 

 

アメリカで作業療法士として働くには?資格取得の条件と年収を解説

 

アメリカの作業療法士は、高い専門性と社会的地位が確立されており、日本からのキャリアチェンジを目指す人にとって魅力的な選択肢です。
アメリカで働くには、現地の資格を取得し、就労ビザを得る必要があります。
このプロセスには、学歴要件のクリア、国家試験の合格、州ごとの免許申請などが含まれます。

本記事では、アメリカで作業療法士になるための具体的なステップ、求められる条件、誠にそして日本との年収の違いについて詳しく解説します。

 

 

日本とどう違う?アメリカにおける作業療法士の年収と社会的地位

米国における作業療法士は、年収水準と社会的地位の両面で、日本とは大きく異なる環境にあります。
給与は日本の2倍以上になることも珍しくなく、経済的な魅力は非常に大きいです。
また、社会的にも高く評価される専門職と位置づけられており、医師や弁護士と並ぶ存在として認識されています。

こうした待遇の違いが、多くの日本の作業療法士が米国でのキャリアに関心を寄せる大きな理由となっています。

 

 

平均年収は1,000万円超え?日米の給与水準を比較

アメリカにおける作業療法士の平均年収は、日本の水準を大幅に上回ります。
米労働統計局のデータによると、その中央値は9万ドルを超えており、日本円に換算すると1,000万円を超えるケースが一般的です。
一方、日本の作業療法士の平均年収は約430万円前後とされており、その差は歴然です。

アメリカでは経験年数や専門性、勤務する州や地域によってさらに高い収入を得ることも可能であり、経済的なメリットは、アメリカで働くことを目指す大きな動機付けの一つとなっています。

 

 

専門職として高く評価されるアメリカでの立ち位置

アメリカにおいて作業療法士は、非常に社会的地位の高い専門職として確立されています。
「なりたい職業ランキング」でも常に上位に位置し、国民からの信頼と尊敬を集める職業の一つです。
その理由として、医師や弁護士と同様に高度な専門知識と技術が求められること、そして業務の自律性が高いことが挙げられます。

特に、アメリカでは作業療法士に開業権が認められており、自身のクリニックを開業して独立したキャリアを築くことが可能です。
このような環境は、専門職としての誇りを持ち、主体的にキャリアを形成していきたいと考える人にとって魅力的です。

 

 

卒業後に差がつく実践的な学び

 

アメリカで作業療法士になるための資格取得ロードマップ

アメリカで作業療法士として活動するためには、連邦レベルでの認定と州レベルでの免許取得という、二段階のプロセスを経る必要があります。
まず、米国の作業療法士養成課程を修了し、学歴要件と臨床実習の基準を満たさなければなりません。

その後、全米統一認定試験である「NBCOT」に合格することで、認定作業療法士(OTR)としての資格を得ます。
最終的に、就職を希望する州の免許委員会に申請し、正式な免許を取得することで、初めて臨床業務に従事できます。

 

 

【ステップ1】修士号以上が必須となる学歴要件をクリアする

アメリカで作業療法士になるための最初の関門は学歴要件です。
現在、アメリカの作業療法士養成課程は大学院レベルに完全に移行しており、修士号(Master’s degree)または博士号(Doctorate degree)の取得が必須条件となります。

日本の4年制大学で作業療法士の学士号を取得している場合、その単位が認められればアメリカの大学院へ留学し、修士課程を修了することで要件を満たすことが可能です。
専門学校卒業の場合は、まず学士号を取得するための単位を米国の大学などで履修する必要があり、より長期的な計画が求められます。

 

 

【ステップ2】定められた期間の臨床実習(フィールドワーク)を修了する

アメリカの作業療法士養成課程では、座学だけでなく、定められた期間の臨床実習を修了することが義務付けられています。
この実習は、学生が実際の臨床現場で指導者の監督のもと、知識と技術を統合し、実践的なスキルを習得するために不可欠なプロセスです。

実習はレベルⅠとレベルⅡに分かれており、特にレベルⅡではフルタイムで最低24週間の実習を異なる環境で経験することが求められます。
この厳しい実習を通じて、卒業後すぐに即戦力として働ける能力を養います。

 

 

【ステップ3】全米統一認定試験「NBCOT」に合格する

学歴と臨床実習の要件を満たした後、次のステップは全米作業療法士認定委員会(NBCOT)が実施する国家試験に合格することです。
この試験は、作業療法士として安全かつ効果的な実践を行うために必要な知識とスキルを評価するもので、多岐選択式の問題で構成されています。

試験に合格すると、「認定作業療法士(Occupational Therapist Registered, OTR)」の称号を使用する資格が与えられます。
このNBCOTからの認定は、アメリカ国内のほとんどの州で免許を申請するための前提条件となっており、資格取得プロセスにおける最も重要な関門の一つです。

 

 

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【ステップ4】就職を希望する州の作業療法士免許を申請する

NBCOTの試験に合格して認定作業療法士(OTR)となっても、すぐに臨床業務を開始できるわけではありません。
アメリカでは、医療専門職の免許は州ごとに管理されているため、実際に働きたい州の免許委員会(State Licensure Board)に対して個別に免許を申請し、交付を受ける必要があります。

申請プロセスや追加要件は州によって異なり、例えば特定の法律に関する試験や、犯罪歴のバックグラウンドチェックなどが課される場合があります。
したがって、NBCOTの合格後は、就職を希望する州の具体的な免許要件を確認し、必要な手続きを進めることになります。

 

 

日本の有資格者向け|免許書き換えの具体的な手順

日本で作業療法士の資格を持つ人がアメリカでの就労を目指す場合、日本の免許を直接「書き換え」できる制度は存在しません。
代わりに、米国の基準に自身の学歴や職歴が合致しているかどうかの審査を受ける必要があります。

この審査は、アメリカ作業療法士協会(AOTA)が認める学歴評価機関を通じて行われます。
審査の結果、不足している教育内容や臨床実習があれば、それらを米国の教育機関で追加履修し、最終的に全米統一認定試験の受験資格を得るという流れになります。

 

 

はじめに米国の学歴評価機関(OTED)の審査を受ける

日本の有資格者がアメリカでの資格取得を目指す第一歩は、NBCOTが管轄する学歴評価プロセス「Occupational Therapist Eligibility Determination(OTED)」の審査を受けることです。
この審査では、日本の養成校で受けた教育内容、カリキュラム、取得単位、臨床実習時間などが、米国の認定基準を満たしているかが厳格に評価されます。

卒業した大学や専門学校から成績証明書やシラバスなどを取り寄せ、英訳して提出する必要があります。
このOTEDの審査を通過しなければ、NBCOTの受験資格を得ることができず、次のステップに進むことはできません。

 

 

不足している単位を追加で履修する必要性

OTEDによる学歴審査の結果、日本の教育内容が米国の基準に完全には合致しないと判断されるケースがほとんどです。
特に、一般教養科目や、米国の医療制度、文化に関する科目などが不足していると指摘されることが多くあります。
その場合、不足している単位を米国の大学やコミュニティカレッジなどで追加履修しなければなりません。

このプロセスには時間と費用がかかり、どの科目をどこで履修するかを慎重に計画する必要があります。
全ての不足単位を履修し終えて初めて、NBCOTの受験資格を得るための要件が満たされます。

 

 

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英語能力を証明する試験(TOEFLなど)のスコア基準

アメリカで作業療法士として働くためには、非常に高いレベルの英語力が不可欠です。
NBCOTの受験資格を得るためには、その英語力を客観的に証明する必要があり、一般的にTOEFLiBTが利用されます。
求められるスコアは非常に高く、総合点で89点以上、かつスピーキングセクションで26点以上という厳しい基準が設けられています。

このスコアは、大学院の講義を理解し、ディスカッションに参加できるだけでなく、患者やその家族、他の医療スタッフと専門的な内容について円滑にコミュニケーションをとるために最低限必要とされるレベルを示しています。

 

 

資格取得後のキャリア|アメリカでの多様な働き方

アメリカで作業療法士の資格を取得した後のキャリアパスは非常に多様です。
多くのセラピストが病院や専門クリニックで臨床経験を積む一方で、教育現場や地域に根差した訪問リハビリなど、活躍の場は多岐にわたります。
開業権が認められているため、将来的には独立して自身のクリニックを持つという選択肢も現実的です。

自身の興味や専門性に合わせて、柔軟にキャリアを築いていけるのがアメリカの作業療法士の大きな魅力の一つです。

 

 

病院やリハビリ専門クリニックで臨床経験を積む

アメリカの作業療法士にとって、病院やリハビリテーション専門クリニックは最も一般的な職場の一つです。
急性期病院では、手術直後や重篤な疾患を持つ患者の早期離床や機能回復を支援します。
回復期リハビリ施設や外来クリニックでは、退院後の患者が自宅や社会へ復帰するためのより実践的な訓練を行います。

こうした臨床現場では、多様な症例を経験することで専門的なスキルを磨くことができ、多くのセラピストがキャリアの基盤を築く場としています。
多職種との連携も密であり、チーム医療の一員として重要な役割を担います。

 

 

教育現場(スクールシステム)で子どもの発達を支援する

アメリカでは、作業療法士が教育現場で活躍する「スクールベースOT」という働き方が広く普及しています。
主な職場は地域の公立学校などで、発達に課題を抱える子どもたちが学校生活に円滑に適応できるよう支援するのが役割です。

具体的には、読み書きのための姿勢や手指の巧緻性の改善、感覚統合療育、クラスメートとの関わり方など、学習や社会参加の基盤となる能力を育むサポートを行います。
教員や保護者と連携しながら、個々の子どものニーズに合わせた支援計画を立案・実行する、専門性とやりがいの高い分野です。

 

 

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訪問リハビリや在宅ケア分野で地域医療に貢献する

訪問リハビリテーションや在宅ケアも、アメリカの作業療法士が活躍する重要な分野です。
高齢者や慢性疾患、障害を持つ人々が、住み慣れた自宅で自立した生活を続けられるよう支援することを目的とします。

セラピストは患者の自宅を訪問し、食事や入浴、着替えといった日常生活動作の訓練や、住宅改修のアドバイス、福祉用具の選定など、実際の生活環境に即したリハビリテーションを提供します。
地域に密着し、利用者の生活に深く関わることができるため、大きなやりがいを感じられる働き方の一つです。

 

 

移住の前に知っておきたい就労ビザ取得のプロセス

アメリカで作業療法士として働くためには、資格取得と並行して、合法的に就労するためのビザを取得することが不可欠です。
資格試験に合格しても、就労ビザがなければアメリカに滞在し、給与を得て働くことはできません。

ビザの申請は複雑で、多くの書類準備と時間を要します。
また、ビザの種類によって申請条件や有効期間が異なるため、自身の状況に合ったビザを理解し、計画的に準備を進めることが移住を成功させるための鍵となります。

 

 

専門職ビザ(H-1B)の申請条件と手続きの流れ

作業療法士がアメリカで就労する際に最も一般的に利用するのが、専門職ビザである「H-1B」です。
このビザを申請するには、まず、ビザのスポンサーとなる雇用主を見つける必要があります。
申請の条件として、4年制大学卒業以上の学歴と、その学歴が職務内容と直接関連していることが求められます。

手続きは、雇用主が米移民局に申請書類を提出することから始まります。
ただし、H-1Bビザは年間の発給数に上限が設けられており、申請者数が上限を上回ることが多いため、毎年抽選となるのが現状です。
そのため、内定を得ても必ずビザが取得できるとは限らないという難しさがあります。

 

 

アメリカの作業療法士に関するよくある質問

アメリカで作業療法士として働くことを検討する際、多くの人が学歴や英語力、現地の需要といった共通の疑問を抱きます。
日本の学歴が通用するのか、どの程度の語学力が必要とされるのか、また、どの地域で働きやすいのかといった点は、キャリアプランを立てる上で非常に重要な情報です。
ここでは、そうしたよくある質問に対して、具体的な情報を基に簡潔に解説します。

 

 

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日本の専門学校や大学卒業でもアメリカで働けますか?

学歴審査の結果にもよりますが、多くの場合、米国の修士号取得が求められます。日本の4年制大学(学士)卒業者は、米国の大学院へ進学する資格を得られる可能性があります。一方、専門学校卒業の場合、米国の大学院への直接進学は一般的に難しいですが、必ずしも学士号取得から始める必要があるとは限りません。個々の大学院の入学資格や専門分野によっては、異なる要件が適用されることがあります。

 

 

英語力は具体的にどのレベルまで求められますか?

TOEFL iBTで総合89点以上、特にスピーキングセクションで26点以上が目安です。
これは、大学院の授業を理解し、臨床現場で患者や多職種と専門的な内容を正確に議論するために必須とされる、非常に高いレベルの英語力を示しています。

 

 

作業療法士として働きやすい、需要が高い州はどこですか?

カリフォルニア州、ニューヨーク州、テキサス州、フロリダ州など、人口が多い州は求人数も多い傾向にあります。
ただし、州ごとに免許の要件や生活費、給与水準が大きく異なるため、求人の多さだけでなく、自身のライフプランに合った地域を総合的に検討することが重要です。

 

 

まとめ

アメリカで作業療法士として働くことには、専門職としての社会的地位など大きな魅力があります。しかし、その実現には複数の厳しいハードルを越えなければなりません。米国の大学院で修士号以上を取得し、臨床実習を修了した上で、全米統一認定試験に合格する必要があります。

さらに、高い英語力を証明し、就職先を見つけた上で、発給枠の限られた就労ビザを取得するというプロセスも待っています。日本の有資格者であっても、学歴審査や不足単位の履修が求められるため、アメリカでのキャリアを目指すには、長期的な視点に立った入念な情報収集と計画的な準備が不可欠です。

 

 

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