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理学療法士と作業療法士どっちが大変?仕事・勉強・給料の違いを比較

2026.01.26

理学療法

 

理学療法士と作業療法士どっちが大変?仕事・勉強・給料の違いを比較

監修:日本リハビリテーション専門学校 山田 慶(作業療法士)

 

理学療法士と作業療法士は、どちらもリハビリテーションの専門職ですが、その役割や仕事内容は異なります。
進路選択で迷う方にとって、どちらが難しいのか、自分に向いているのはどちらかという点は大きな悩みどころです。
この記事では、仕事内容・勉強・給料・将来性など、様々な観点から両者の「大変さ」を比較し、後悔しないための選択のヒントを解説します。

どちらが難しいという単純な比較ではなく、大変さの質の違いを理解しましょう。

 

 

結論:大変さの種類が違う!自分に合うのはどっちか見極めよう

理学療法士と作業療法士のどちらが大変かという問いの結論は、「大変さの種類が異なる」です。
理学療法士は患者の体を支えて動かすなど肉体的な負担が大きい場面が多く、作業療法士は患者の精神面に寄り添い、生活全体を支援するため精神的な負担や対応範囲の広さが大変だとされます。

どっちがいいとは一概には言えず、体力的な大変さと精神的な大変さのどちらが自分にとって許容できるかを見極めることが重要です。
自分自身の適性や興味と照らし合わせ、納得のいく選択をすることが大切です。

 

 

まずは基本をおさらい!理学療法士と作業療法士の役割の違い

理学療法士(PT)と作業療法士(OT)は、どちらもリハビリテーションを通じて患者の自立を支援する専門職ですが、そのアプローチの対象が異なります。
理学療法士が「立つ・歩く」といった基本的な動作能力の回復を目指すのに対し、作業療法士は食事や入浴といったより応用的・社会的な活動への復帰をサポートします。

仕事内容や求められるスキルの難易度にも違いがあるため、両者の役割を正しく理解することが、自分に合った進路を選択するための第一歩となります。

 

 

理学療法士(PT)は「立つ・歩く」など基本的な動作の回復をサポート

理学療法士(Physical Therapist, PT)は、ケガや病気によって身体機能が低下した人々に対し、運動療法や物理療法を用いて基本的な動作能力の回復を支援する専門職です。 具体的には、寝返り、起き上がり、座位保持、立ち上がり、歩行といった、日常生活を送る上で基礎となる動作の改善を目指します。

関節の可動域を広げる訓練や筋力を強化するトレーニング、電気刺激や温熱などの物理的手段を駆使して、患者が自立した生活を取り戻せるようサポートします。 専門性を活かして長く働き続けることが可能な職業です。

 

 

作業療法士(OT)は「食事・入浴」など応用的な動作の回復をサポート

作業療法士(Occupational Therapist, OT)は、基本的な動作の回復を目的とする理学療法士に対し、食事、着替え、入浴、料理、書字といった、より応用的でその人らしい生活を送るために必要な動作(作業)の回復をサポートします。
身体的なリハビリだけでなく、精神的なケアも重要な役割であり、患者の興味や関心事を活用しながら、社会復帰に向けた意欲を引き出すアプローチを行います。

進路に迷う人にとっては、どちらの専門性が自分の関心に近いか考えることが、どっちがいいかを判断する重要な要素です。
人の生活全体に深く関わりたいと考えるなら、作業療法士の仕事に魅力を感じるかもしれません。

 

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【仕事編】理学療法士と作業療法士の大変さを比較

理学療法士と作業療法士の仕事における「大変さ」は、その性質が大きく異なります。
理学療法士は、患者の身体を直接支える場面が多いため、体力的な負担が大きな特徴です。

一方、作業療法士は、患者の身体面だけでなく精神面にも深く関わり、生活環境全体を調整していくため、精神的な負担や多角的な視点が求められるという大変さがあります。
それぞれの仕事内容を深く理解し、どちらの大変さが自分にとって乗り越えやすいかを考えることが重要です。

 

 

体力的な負担が大きいのは理学療法士

理学療法士の仕事は、体力的な負担が大きい場面が多いのが特徴です。
例えば、脳卒中後の麻痺がある患者さんの歩行訓練では、体重を支えながら一緒に歩いたり、ベッドから車椅子への移乗を介助したりと、自身の体を使って患者をサポートする必要があります。

特に、回復期リハビリテーション病棟や急性期病院では、身体機能が大きく低下した患者を担当することが多く、一日に何人もの患者のリハビリを行うため、相応の筋力と体力が求められます。
腰痛は理学療法士の職業病とも言われており、日々のボディメカニクスを意識した介助や、自身の身体のメンテナンスが欠かせません。

 

 

精神的な負担や対応範囲の広さが大変なのは作業療法士

作業療法士は、身体機能の回復だけでなく、患者の精神状態や生活背景までを考慮したアプローチが求められるため、精神的な負担や対応範囲の広さが大変さにつながることがあります。
例えば、精神科領域では患者との信頼関係の構築に時間を要したり、高次脳機能障害の患者の意欲を引き出すための工夫が必要だったりと、コミュニケーション能力や忍耐力が試されます。

また、退院後の生活を見据え、家屋の改修提案や福祉用具の選定、家族への指導など、リハビリ室の中だけにとどまらない幅広い視点と調整能力が不可欠です。
患者一人ひとりの人生に深く寄り添う分、責任も大きい仕事です。

 

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活躍の場(就職先)の違いもチェックしよう

理学療法士と作業療法士は活躍の場にも違いがあります。
理学療法士の主な就職先は、病院やクリニックといった医療機関が中心で、特に整形外科やリハビリテーション科での需要が高いです。
近年では、スポーツ分野でアスリートのコンディショニングをサポートする理学療法士も増えています。

一方、作業療法士も医療機関で働きますが、それに加えて介護老人保健施設、特別支援学校、精神科病院、就労支援施設など、より幅広い領域で活躍しています。
特に、精神障害領域や発達障害領域のリハビリは作業療法士が中心となって担うことが多く、活躍の場の多様性は作業療法士の大きな特徴といえます。

 

 

【勉強・試験編】理学療法士と作業療法士の大変さを比較

理学療法士と作業療法士になるためには、養成校で専門知識を学び、国家試験に合格する必要があります。
どちらの道も簡単なものではありませんが、勉強内容や試験の難易度にはいくつかの違いが見られます。

国家試験の合格率には若干の差があり、また、大学や専門学校で学ぶカリキュラムもそれぞれの専門性に応じて異なります。
ここでは、学業や資格取得における大変さの違いを比較し、進路選択の参考にします。

 

 

国家試験の合格率は作業療法士のほうがやや低い傾向

理学療法士と作業療法士の国家試験の合格率は、年によって変動はあるものの、全体的な傾向として作業療法士の方がやや低い水準で推移しています。
近年のデータを見ると、理学療法士の合格率がおおむね80%台から90%台前半であるのに対し、作業療法士は70%台後半から80%台半ばとなることが多いです。

この差の背景には、試験範囲の広さが一因として考えられます。
作業療法士は身体障害、精神障害、発達障害、老年期障害と多岐にわたる領域を深く学ぶ必要があり、その学習範囲の広さが試験の難易度に影響している可能性があります。
ただし、どちらの試験も養成校のカリキュラムを真面目に修了すれば合格できる水準です。

 

 

養成校で学ぶ内容や臨床実習の大変さの違い

理学療法士と作業療法士の養成校では、学ぶ内容に専門性の違いが明確に現れます。
理学療法士のカリキュラムは、解剖学、生理学、運動学といった人体の構造や機能に関する科目に重点が置かれ、科学的根拠に基づいた運動療法を深く学びます。

一方、作業療法士はこれらの基礎医学に加え、精神医学、心理学、社会学など、人の心や生活に関わる人文社会科学系の科目も幅広く履修します。
臨床実習においてもその違いは顕著で、理学療法士は主に身体機能の評価や治療プログラムの立案・実施を学び、作業療法士はそれに加えて患者の生活環境の評価や精神的なアプローチ、レクリエーションの活用なども実践的に学びます。

 

 

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【給料・将来性編】理学療法士と作業療法士の大変さを比較

職業を選択する上で、給料や将来性は重要な判断基準です。
理学療法士と作業療法士のどちらの道に進むか考える際にも、経済的な安定やキャリアパスの展望は無視できません。
給与水準や求人数、そして将来的な需要など、両者の待遇やキャリアにおける違いを比較することで、長期的な視点での「大変さ」を把握することができます。

ここでは、給料と将来性という2つの側面から両職種を詳しく見ていきます。

 

 

平均給与に大きな差はないが、求人数は理学療法士が多い

理学療法士と作業療法士の平均給与を比較すると、両者に大きな差はないのが現状です。厚生労働省の調査などを見ても、平均年収はほぼ同水準で推移しており、給与面での有利不利はほとんどないと言えます。ただし、就職のしやすさという点では、求人数に違いが見られます。一般的に、病院やクリニックからの需要が安定して高い理学療法士の方が、作業療法士に比べて求人数が多い傾向にあります。これは、診療報酬制度上、理学療法士の配置が求められる場面が多いことなどが理由として挙げられます。しかし、作業療法士も介護保険領域や精神科領域などで専門性が高く評価されており、活躍の場は広がっています。

一方、作業療法士は、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年問題や、一人暮らしの高齢者が増加しているといった社会背景から、その不足が指摘されています。特に、地域に根差した在宅医療や介護予防の分野では、作業療法士が提供する生活機能向上の支援が不可欠であり、今後ますます需要が高まると予測されています。病院や施設でのリハビリテーションだけでなく、地域社会での生活支援においても専門性が求められるため、作業療法士の活躍の場は今後さらに多様化していくでしょう。

 

 

!! POINT !! 1. 求人数の違い 作業療法士の目線

結論から言うと、「絶対的な求人数」はPTの方が多いですが、「競争率(有効求人倍率)」で見るとOTの方が有利な傾向にあります。

求人数と有資格者数
現在、国内の有資格者数はPTが約21万人、OTが約11万人と、PTの方が圧倒的に多い状況です。

理学療法士 (PT): 病院、整形外科クリニック、訪問リハビリなど、ニーズが非常に幅広いため求人の絶対数は多いです。ただし、供給(志望者)も多いため、人気のある都心部の病院などでは倍率が高くなる傾向があります。

作業療法士 (OT): PTに比べると募集件数は少なめですが、有資格者数も少ないため、一人あたりの求人数(倍率)はOTの方が高い(就職しやすい)傾向にあります。

 

 

キャリアパスや将来性の違いを理解しよう

理学療法士と作業療法士は、どちらも高齢化社会の進展に伴い将来性が高い専門職ですが、キャリアパスにはそれぞれの特色があります。
理学療法士は、病院での経験を積んだ後、スポーツトレーナーとしてアスリートを支えたり、整体院やフィットネスクラブを開業したりするなど、身体機能の専門性を活かした多様な道へ進むことが可能です。

一方、作業療法士は、福祉用具の開発や住宅改修のアドバイザー、あるいは地域包括支援センターで高齢者の生活を支える専門職として活躍するなど、人の「生活」に密着した分野でのキャリアが広がります。
どちらも専門性を深め、認定資格を取得することで、管理職や教育者としての道も開けます。

 

 

!! POINT !! 2. キャリアパスの違い 作業療法士の目線

リハビリの「目的」が異なるため、将来的な専門性の磨き方が変わります。

理学療法士 (PT) のキャリア
「動作の専門家」として、身体機能の回復を深掘りする道が一般的です。
専門分化: スポーツリハ、心臓リハ、呼吸リハなど、特定の疾患や部位に特化した認定理学療法士を目指す。
スポーツ分野: プロチームのトレーナーや、スポーツクリニックでの専属スタッフ。
開業・自費リハ: 整体院の開業や、保険外のパーソナルリハビリサービスの展開。

 

!! POINT !! 作業療法士 (OT) のキャリア

「生活の専門家」として、心身の両面からアプローチするため、活躍の幅が横に広いです。

精神科領域: 精神科病院やデイケアで、手工芸やレクリエーションを通じた社会復帰支援のスペシャリスト。
高次脳機能障害・認知症: 脳の機能や認知面に特化したリハビリの専門性を高める。
就労支援・教育: 障害者の一般企業への就労支援や、特別支援学校での指導。
福祉用具・住環境: 福祉住環境コーディネーターなどの資格を合わせ、住宅改修のコンサルティングを行う。

 

 

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結局どっちを選べばいい?向いている人の特徴で比較

これまで仕事内容や給料、将来性など様々な観点から理学療法士と作業療法士を比較してきましたが、最終的にどちらを選ぶべきかは、自身の性格や価値観との相性が重要になります。
ここでは、それぞれの職業に「向いている人」の特徴をまとめました。

これまでの比較内容と合わせて自己分析を行い、自分がどちらのタイプの「大変さ」なら乗り越えられそうか、どちらの仕事にやりがいを感じられそうかを考えるための参考にしてください。

 

 

理学療法士(PT)に向いている人の特徴

理学療法士には、まず体力と忍耐力が求められます。
患者の身体を支えたり、根気強くリハビリを続けたりする場面が多いため、身体的にも精神的にもタフな人が向いています。

また、身体の構造や動きの仕組みに対して強い探究心があり、解剖学や運動学といった分野に興味を持てることも重要です。
リハビリは科学的根拠に基づいて計画されるため、物事を論理的に考え、客観的なデータから問題を分析・解決していく能力も必要とされます。
患者の「歩けるようになりたい」という目標に向かって、粘り強くサポートし、共に回復を喜べる人にとって大きなやりがいを感じられる仕事です。

 

 

作業療法士(OT)に向いている人の特徴

作業療法士には、相手の立場に立って物事を考えられる共感性と、細やかな気配りができる観察力が不可欠です。
患者の言葉にならない思いや小さな変化を汲み取り、リハビリに活かしていく姿勢が求められます。

また、手工芸やレクリエーションなどをリハビリの手段として用いることも多いため、手先が器用であったり、遊びや創作活動のアイデアを考えるのが好きだったりする人にも向いています。
身体機能だけでなく、心理面や生活環境まで含めたトータルサポートを行うため、広い視野を持ち、人と深く関わることに喜びを感じる人にとって、非常に魅力的な職業といえるでしょう。

 

 

理学療法士と作業療法士に関するよくある質問

ここでは、理学療法士と作業療法士を目指すにあたって、多くの方が抱く疑問について回答します。
ダブルライセンスの可能性や、文系からの進学、将来の需要など、進路選択の最終判断に役立つ情報をまとめました。

これらの回答を参考に、自身のキャリアプランをより具体的にイメージしてみてください。

 

 

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両方の資格を取得することは可能ですか?

はい、可能です。
理学療法士と作業療法士、両方の国家資格を取得することは制度上できます。
ただし、そのためにはそれぞれの養成校で3年以上学び、国家試験に合格する必要があります。

一部の共通科目は単位互換が認められる場合もありますが、時間も学費もかかるため、強い意志と計画性が必要です。

 

 

文系からでも理学療法士や作業療法士を目指せますか?

はい、目指せます。
養成校の入試科目は学校によって様々で、文系科目で受験できる学校も少なくありません。
入学後は生物や物理といった理系分野の知識が必要になりますが、多くの学校では基礎から学べるカリキュラムが組まれているため、入学後の本人の努力と意欲があれば文系出身でも十分に追いつけます。

 

 

将来的にどちらの需要が高まりますか?

理学療法士、作業療法士ともに、高齢化が進む日本において需要はますます高まると予測されます。
特に、病院だけでなく在宅医療や介護予防、地域包括ケアの分野での活躍が期待されており、どちらの専門性も不可欠です。

需要の優劣を考えるより、自分がどの分野で貢献したいかを考えることが重要です。

 

 

まとめ

理学療法士と作業療法士の「大変さ」は、体力的な負担、精神的な負担、学習範囲、活躍の場など、様々な側面で質が異なります。
理学療法士は身体機能の回復という明確な目標に対し、論理的かつ体力的にアプローチする大変さがあり、作業療法士は心と身体、そして生活全体という広範な対象に寄り添う精神的な大変さがあります。

どちらの職業が優れているというわけではなく、自身の適性、興味、そしてどのような形で人の役に立ちたいかによって、選択は変わります。
本記事で比較した内容を参考に、自身のキャリアについて深く考え、納得のいく進路を選択してください。

監修:日本リハビリテーション専門学校 山田 慶(作業療法士)

 

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