2026.01.25
理学療法

監修:日本リハビリテーション専門学校 鍋城武志(理学療法士)
理学療法士の国家試験は、資格を取得するために必須の関門です。
この記事では、最新の試験結果に基づいた合格率はもちろん、過去のデータから見る難易度の推移や、新卒・既卒での合格率の違いについて詳しく解説します。
また、合格ラインとなる具体的な点数基準や、合格率を高めるための学習ポイントも紹介するため、理学療法士を目指す受験生にとって重要な情報源となります。
厚生労働省の発表によると、2025年に実施された第60回理学療法士国家試験の合格率は89.6%でした。
この結果は、受験者数12,948人に対して、11,605人が合格したことを示しています。
近年の合格率は上昇傾向にあり、2025年の試験も比較的高水準を維持しました。
理学療法士を目指す受験生にとって、しっかり対策すれば十分に合格が狙える難易度であるといえます。
理学療法士国家試験の合格率は、年によって変動が見られます。
過去10年間の推移を分析すると、全体の難易度の変化や今後の傾向を予測する手がかりになります。
例えば、合格率が70%台まで落ち込んだ年もあれば、近年は80%台後半から90%近くで推移するなど、上昇傾向にあることがわかります。
このような過去のデータを知ることは、受験生が試験の難易度を客観的に把握し、適切な学習計画を立てるうえで役立ちます。
過去10年間の理学療法士国家試験の合格率は変動が見られ、第51回は74.1%でした。その後、第54回では85.8%に上昇するなど回復傾向にあります。特に、2020年実施の第55回が86.4%、2021年の第56回が79.0%、2022年の第57回が79.6%と推移し、2023年の第58回は87.4%、2024年の第59回は89.2%と上昇を続けました。そして2025年の第60回では89.6%と、高い水準を維持しています。このように、ここ数年は安定して高い合格率を示しているのが特徴です。
理学療法士国家試験の合格率は、現役の学生(新卒者)と既卒者で大きな差が見られます。
例年、新卒者の合格率は95%前後と非常に高い水準で推移する一方、既卒者の合格率は30%〜40%台にとどまることが多く、大きな隔たりがあります。
この差は、新卒者が学校のカリキュラムを通じて集中的に学習できる環境にあるのに対し、既卒者は働きながらの勉強で学習時間の確保が難しかったり、最新の出題傾向に対応しにくかったりすることが要因と考えられます。
既卒で受験する場合は、より一層計画的な対策が求められます。
理学療法士国家試験に合格するためには、厚生労働省が定める合格基準を満たす必要があります。
この基準は、主に総得点と実地問題の得点率によって定められており、両方の条件をクリアしなければ合格できません。具体的には、一般問題と実地問題の総得点が168点以上/279点、かつ実地問題が43点以上/120点という基準を満たす必要があります。
毎年多くの受験生がこの国家試験に挑戦しますが、合格ラインを正確に把握し、そこから逆算して学習計画を立てることが、効率的な試験対策の第一歩となります。
具体的な点数基準を理解し、目標を明確に設定しましょう。
理学療法士国家試験の合格基準は、一般問題と実地問題の合計点で決まります。
一般問題は1問1点、実地問題は1問3点の配点で、総得点は280点満点程度です。
この総得点に対して、原則として60%以上の得点を取ることが合格の条件となります。
つまり、約168点以上がボーダーラインです。
ただし、試験の難易度によって合格基準点は毎年調整されるため、一概に「何点取れば確実」とは言えません。
常に60%を大きく超える得点を目指して学習を進めることが、確実な合格につながります。
理学療法士国家試験では、総得点で60%以上の基準を満たしていても、実地問題の基準を満たしていなければ不合格となる「足切り」制度があります。実地問題は、実践力や臨床的思考力を評価する目的で設けられており、高い専門性と質の保証を図るために重要視されています。具体的な合格基準としては、総得点280点中168点以上、実地問題120点中43点以上といった基準が過去に設定されています。したがって、総合点が高くても、実地問題の対策は合格のために重要なポイントとなります。
理学療法士国家試験の合格率を高めるためには、戦略的な学習が不可欠です。
やみくもに勉強するのではなく、出題傾向を把握し、自身の弱点を克服することが重要になります。
具体的には、過去問題の反復演習による基礎固め、効率的な学習計画の立案、そして本番を想定した模擬試験の活用が挙げられます。
これらのポイントを押さえることで、学習の質が向上し、合格の可能性を大きく引き上げることができます。
国家試験対策の基本は、過去問題を繰り返し解くことです。
過去問を解くことで、試験の出題形式や頻出分野、問題の難易度といった傾向を肌で感じ取れます。
また、一度解くだけでなく、なぜその答えになるのかを解説まで深く理解し、関連知識を整理することが知識の定着につながります。
特に、間違えた問題や理解が曖昧な分野は、複数回繰り返し解くことで弱点を克服できます。
最低でも過去5年分、できれば10年分の過去問に取り組むことが、幅広い知識を網羅し、応用力を養うための効果的な方法です。
国家試験の広範な出題範囲をすべて完璧にするのは困難です。
そのため、自分の苦手分野を特定し、そこを重点的に学習する計画を立てることが合格への近道となります。
まずは模擬試験や過去問の演習を通じて、どの分野の正答率が低いのかを客観的に分析します。
その上で、苦手分野の学習により多くの時間を割くようなスケジュールを作成しましょう。
例えば、「午前中は暗記が多い解剖学、午後は理解が必要な運動学」といったように、時間帯や曜日に応じて学習内容を決めると、メリハリがついて効率が上がります。
模擬試験は、現在の自分の実力を測るだけでなく、本番さながらの環境で試験を受ける貴重な機会です。
特に、時間配分の練習には最適で、どの問題にどれくらいの時間をかけるべきか、見直しの時間を確保できるかなどをシミュレーションできます。
また、試験会場の雰囲気に慣れることで、本番の過度な緊張を防ぐ効果も期待できます。
試験直前期は、新しい知識を詰め込むことよりも、これまで学んだ知識を整理し、十分な睡眠をとるなど体調管理を優先することが重要です。
万全のコンディションで本番に臨むことが、実力を最大限に発揮する鍵となります。
理学療法士を目指す上で、どの大学や専門学校を選ぶかは非常に重要な要素です。
養成校の教育内容やサポート体制は、国家試験の合格率に直結することが少なくありません。
合格率が高い学校には、質の高い教育プログラムや手厚い国家試験対策が用意されている傾向があります。
これから進学先を検討する高校生や社会人にとって、各学校が公表している合格率は、教育の質を判断する一つの客観的な指標となるでしょう。
全国平均よりも高い合格率を誇る養成校には、いくつかの共通した傾向が見られます。
まず、経験豊富な教員による質の高い授業や、少人数制教育による手厚い個別指導が挙げられます。
また、早期から国家試験を意識したカリキュラムが組まれており、学内での模擬試験や対策講座が充実している点も特徴です。
4年制大学や専門学校(3年制・4年制)を問わず、こうしたサポート体制が学生一人ひとりの学習意欲を引き出し、高い合格実績につながっています。
このような学校は、6年連続で合格率100%を達成するなど、継続して良い結果を出している場合も少なくありません。
学校選びの際に合格率を参考にする場合、数字の表面だけを見ないように注意が必要です。
例えば、合格率が100%であっても、それは卒業生のうち何人が受験した結果なのかを確認することが重要です。
受験者数が極端に少ない場合、卒業試験などで合格の見込みがある学生のみを受験させている可能性も考えられます。
また、新卒者のみの合格率なのか、既卒者を含めた全体の数字なのかも確認すべきポイントです。
複数の学校を比較検討する際は、合格率だけでなく、受験者数や教育カリキュラム、サポート体制なども含めて総合的に判断することが求められます。
理学療法士の国家試験については、受験生やその関係者から多くの質問が寄せられます。
特に、試験の難易度や将来の動向、万が一不合格だった場合の対応などは、多くの人が関心を寄せる点です。
ここでは、理学療法士の合格率に関連して、よくある質問とその回答をまとめました。
また、混同されやすい作業療法士の試験との比較についても触れていきます。
これらの情報を参考に、試験に関する疑問や不安を解消しましょう。
近年の合格率が上昇傾向にあるため、その反動で難化する可能性は否定できません。
しかし、試験の難易度は社会的な需要や教育内容の見直しなど複数の要因で決まるため、確実な予測は困難です。
どのような難易度でも対応できるよう、基礎を固めておくことが重要です。
学習に集中できる新卒者と異なり、既卒者は働きながら勉強する人が多く、学習時間の確保が難しいことが一因です。
また、卒業してから時間が経つことで知識が薄れたり、最新の出題傾向に対応しにくかったりすることも、合格率が低くなる要因と考えられます。
不合格となった場合でも、理学療法士国家試験は翌年以降も再受験が可能です。
合格するまで何度でも挑戦できます。
ただし、就職先が内定している場合は、内定が取り消されるか、資格取得を条件に採用が継続されるかなど、勤務先との調整が必要になります。
理学療法士国家試験の合格率は、2025年実施の第60回で89.6%と高い水準でした。
過去の推移を見ると難易度には波がありますが、近年は上昇傾向にあります。
合格ラインは総得点の60%以上かつ必修問題で8割以上の得点が基準です。
合格率を高めるには、過去問題の反復、苦手分野の克服、模擬試験の活用が鍵となります。
また、新卒者と既卒者では合格率に大きな差があり、養成校選びも重要な要素です。
これらの情報を踏まえ、計画的な対策を進めることが合格につながります。
監修:日本リハビリテーション専門学校 鍋城武志(理学療法士)
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