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作業療法士のやりがいと魅力|福祉の心でその人らしい生活を支える

2026.01.25

作業療法

作業療法士のやりがいと魅力|福祉の心でその人らしい生活を支える

監修:日本リハビリテーション専門学校 柴田美雅(作業療法士)

 

作業療法士は、身体や心に障害を持つ人々がその人らしい生活を送れるよう支援するリハビリテーションの専門職です。
この仕事の大きな魅力は、医療の知識と福祉の視点を持ち、対象者一人ひとりの人生に深く関わりながら、日々の生活を取り戻す過程を支えられる点にあります。

患者さんと共に目標を達成する喜びは、何にも代えがたいやりがいとなります。

 

作業療法士とは?理学療法士との違いも解説

作業療法士は、英語で「OccupationalTherapist」と呼ばれ、その頭文字から「OT」とも称されます。
心と身体の両面からアプローチし、日常生活における具体的な活動を通して機能回復を目指す専門職です。

同じリハビリ職である理学療法士としばしば比較されますが、その役割やアプローチには明確な違いが存在します。

 

身体と心の両面から日常生活の動作を支える専門家

作業療法士の役割は、食事や着替え、入浴といった基本的な日常活動から、仕事や趣味、地域活動への参加まで、人が行うすべての「作業」を支援することです。
病気やケガによってこれらの活動が困難になった人に対し、身体機能の回復だけでなく、精神的な安定や自信を取り戻すためのリハビリも行います。

対象者一人ひとりの価値観や生活背景を尊重し、その人らしい生活を再構築するための専門的な知識と技術を持つスペシャリストです。

 

理学療法士との違いは「応用的な動作」と「精神面」へのアプローチ

理学療法士(PT)が「立つ」「歩く」「寝返る」といった基本的な動作能力の回復を目的とするのに対し、作業療法士(OT)は、それらの基本動作を応用した、より複雑で個別性の高い活動の再獲得を目指します。

例えば、料理をする、字を書く、趣味を楽しむといった具体的な生活行為が対象です。また、身体的なアプローチに加え、精神疾患を持つ方への支援や、高次脳機能障害による認知的な問題への対応など、精神面へのアプローチを専門的に行う点も大きな違いです。

 

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作業療法士が感じるやりがい|具体的な5つの瞬間

作業療法士のやりがいは、日々の業務の中でさまざまな形で感じることができます。
特に、患者さんの回復や成長を間近で支え、その喜びを分かち合える瞬間は、この仕事ならではのものです。

ここでは、多くの作業療法士がやりがいを感じる具体的なエピソードを交えながら、5つの瞬間を紹介します。

 

できなかったことができるように!患者さんと分かち合う回復の喜び

患者さんが以前はできなかった動作を再びできるようになった瞬間は、作業療法士にとって最も大きな喜びの一つです。
例えば、脳卒中で麻痺が残った方が、練習を重ねて再び箸を使えるようになったり、字を書けるようになったりする過程に立ち会えます。

特に回復期のリハビリテーションでは、小さな成功体験を積み重ねることが患者さんのモチベーション維持につながります。
目標を共有し、共に乗り越えた末に達成できたときの喜びは、何物にも代えがたいやりがいとなります。

 

「あなただから」と信頼され、患者さんの人生に深く関われる

作業療法士は、患者さんの生活背景や価値観、家族構成などを深く理解した上でリハビリ計画を立てます。
時には、夫や妻、親としての役割を再び果たせるように支援するなど、その人の人生そのものに寄り添うことが求められます。

時間をかけて丁寧に関わる中で、患者さんやその家族から「あなたに担当してもらえてよかった」という言葉をもらえた時、深い信頼関係を築けたことを実感します。
個人として信頼され、人生の重要な局面を支えられることは、大きなやりがいにつながります。

 

趣味や生活歴を活かしたオーダーメイドのリハビリを提案できる面白さ

作業療法士の仕事は、マニュアル通りのリハビリを行うだけではありません。
患者さんが元々持っていた趣味や関心、過去の仕事経験などをリハビリテーションに取り入れる創造性が求められます。

例えば、元料理人の患者さんには調理活動を、スポーツ好きの方にはボールを使った運動を取り入れるなど、その人ならではのプログラムを考案します。
楽しみながら取り組めるリハビリは効果も高く、個々の生活に合わせたオーダーメイドの支援を自分のアイデアで形にできる面白さがあります。

 

退院後の生活まで見据えた長期的なサポートができる

作業療法士の支援は、病院内だけで完結するものではありません。
患者さんが退院した後も、地域社会でその人らしく安全に暮らし続けられるよう、長期的な視点でサポートします。

具体的には、自宅に戻る前に家屋調査を行い、手すりの設置や段差の解消といった住宅改修の提案をしたり、生活に必要な福祉用具を選定したりします。
医療機関から在宅まで、シームレスに関わり続け、生活の再建を根本から支えられることは、この仕事の専門性であり、大きなやりがいの一つです。

 

医師や看護師など多職種と連携して患者さんを支えるチームの一員になれる

医療現場では、多くの専門職が連携して一人の患者さんを支える「チーム医療」が実践されています。
作業療法士は、その重要な一員として、医師や看護師、理学療法士、言語聴覚士などと情報を共有し、それぞれの専門性を活かしながら治療方針を決定していきます。

生活の専門家という視点から意見を求められ、チームに貢献できたときに大きな達成感を得られます。
多様な専門家と協力し、包括的なサポートを提供できることも、作業療法士のやりがいと言えます。

 

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やりがいだけじゃない!作業療法士として働く魅力

作業療法士の仕事は、患者さんの人生に寄り添うやりがいに満ちていますが、それ以外にも職業としての魅力が多く存在します。
専門職としての安定性や多様な働き方の可能性、そして社会的な需要の高さなど、長期的なキャリアを築く上で重要な要素が揃っています。

ここでは、作業療法士として働くことの具体的な魅力について解説します。

 

医療・福祉・教育など多彩なフィールドで活躍できる

作業療法士の活躍の場は、病院やクリニックといった医療機関に限りません。
介護老人保健施設やデイサービスなどの福祉施設、子どもたちの発達を支援する療育センターや特別支援学校といった教育機関、さらには一般企業での障害者雇用支援や、誰もが使いやすい製品を開発するユニバーサルデザインの分野など、非常に多岐にわたります。

保育士と連携して子どもの成長を支えるなど、多様なフィールドで専門性を発揮できるため、自身の興味やライフステージに合わせたキャリア選択が可能です。

 

高齢化社会でますます高まる需要と将来性

日本は急速に高齢化が進行しており、リハビリテーションを必要とする人の数は年々増加しています。
介護予防や認知症支援、地域包括ケアシステムの推進など、高齢者が住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けるための支援において、作業療法士の専門的な視点は不可欠です。

こうした社会的な背景から、作業療法士のニーズは今後ますます高まると予測されており、将来性が非常に高い職業であると言えます。
社会貢献性が高く、安定して働き続けられる点が魅力です。

 

専門知識を活かして安定したキャリアを築ける

作業療法士になるには、国が指定した大学や専門学校などの養成校で3年以上学び、国家試験に合格して資格を取得する必要があります。
この国家資格は専門性の高さを証明するものであり、安定した雇用につながりやすいという大きなメリットがあります。

また、資格があれば全国どこでも通用するため、ライフイベントに応じた引っ越しや転職がしやすいのも特徴です。
有名な病院で臨床経験を積んだり、大学院で研究に進んだりと、キャリアパスも多様に描くことができます。

 

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作業療法士の仕事で大変なこと・厳しいと感じる点

作業療法士はやりがいや魅力の多い仕事ですが、一方で大変なことや厳しい側面も存在します。
患者さんの人生に深く関わるからこその精神的な負担や、身体的な負担、そして専門職として学び続ける努力も求められます。

この仕事を目指す上では、こうした現実的な側面も理解しておくことが重要です。

 

患者さんの回復が思うように進まないときの向き合い方

リハビリテーションの効果は、必ずしも計画通りに進むとは限りません。
熱心にサポートしても患者さんの機能がなかなか改善しない、あるいは症状が悪化してしまうこともあります。

回復が見られない状況で、患者さんの意欲をいかに引き出し、自分自身のモチベーションを保つかは、多くの作業療法士が直面する課題です。
思うような結果が出ない中でも、最善の方法を模索し続けなければならない精神的な厳しさがあります。

 

リハビリをスムーズに進めるための体力と忍耐力

作業療法士の仕事は、デスクワークだけではありません。
患者さんの体を支えながら動作を補助したり、ベッドから車椅子への移乗介助を行ったりと、身体的な負担が大きい場面も多くあります。

特に、体格の大きな患者さんを担当する際は、相応の体力が求められます。
また、リハビリへの意欲が低い患者さんや、コミュニケーションが難しい患者さんに対しても、根気強く関わり続ける忍耐力が必要です。
心身ともにタフさが求められる仕事です。

 

常に新しい知識を学び続ける必要がある向上心

医療やリハビリテーションの分野は、日々進歩しています。
そのため、作業療法士は国家資格を取得した後も、常に新しい知識や技術を学び続ける必要があります。

関連する医学知識はもちろん、新たな治療法や支援機器についても理解を深めるため、休日を利用して学会や研修会に参加することも少なくありません。
専門職として質の高いサービスを提供し続けるためには、自己研鑽を怠らない向上心が不可欠であり、学ぶことへの意欲がなければ務まらない側面があります。

 

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作業療法士に関するよくある質問

ここでは、作業療法士を目指す方からよく寄せられる質問について、Q&A形式で解説します。
仕事への適性や具体的な就職先、収入面など、進路を考える上で気になるポイントをまとめました。

 

Q. 作業療法士にはどんな人が向いていますか?

他者の気持ちに寄り添い、人を支えることに喜びを感じる人が向いています。
一人ひとりに合わせたリハビリを考える創造力や、根気強く人と関わるコミュニケーション能力、そして相手を注意深く観察する力が重要です。

心と体の両面から人をサポートしたいという強い意志を持つ人に適した職業です。

 

Q. 主な就職先と仕事内容を教えてください

主な就職先は、総合病院やリハビリテーション専門病院、精神科病院、介護老人保健施設、特別支援学校など多岐にわたります。

身体や精神に障害のある方に対し、食事や入浴などの日常生活動作から、仕事や趣味といった活動まで、その人らしい生活を送るためのリハビリテーションを提供します。

 

Q. 作業療法士の平均年収はどのくらいですか?

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、作業療法士の平均年収は約444万円です。ただし、これは全体の平均であり、勤務先の種類(病院、施設など)や規模、経験年数、役職、地域によって変動します。国家資格を持つ専門職として、比較的安定した収入が期待できる職業と言えます。

 

まとめ

作業療法士は、対象者が「できなくなったこと」を「できる」ように支援し、その人らしい生活を取り戻す過程に深く関わる専門職です。
患者さんと共に回復の喜びを分かち合える瞬間や、信頼関係を築きながら人生に寄り添える点に、大きなやりがいがあります。

また、医療、福祉、教育など多様な分野で活躍できる将来性や、国家資格としての安定性も魅力です。
仕事には体力や忍耐力が求められる厳しい側面もありますが、それ以上に、人の生活を根底から支えることのできる充実感の大きい仕事です。

 

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監修:日本リハビリテーション専門学校 柴田美雅(作業療法士)

 

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