2025.10.18
作業療法
監修:田中克一(作業療法士)
「作業療法士の就職先について知る」連載企画 5回目。今回は作業療法士に興味を持ってくれた皆様へ「ミスマッチを防ぐ!自分に合った就職先の選び方5つのポイント」について紹介します。
第1回から読む
作業療法士としてのキャリアを満足のいくものにするためには、就職先選びでミスマッチを防ぐことが非常に重要です。
多岐にわたる選択肢の中から自分に最適な職場を見つけ出すには、いくつかの視点を持って比較検討する必要があります。
ここでは、関わりたい対象者やリハビリの時期、給与などの待遇面、教育制度の充実度、そして職場の雰囲気という5つのポイントに絞り、後悔しないための就職先の選び方を具体的に解説していきます。
就職先を選ぶ最初のステップとして、自分がどのような人々を支援したいのかを明確にすることが挙げられます。
作業療法士が関わる対象者は、発達に課題を持つ子どもから、働き盛りの成人、そして人生の最終段階にある高齢者まで、非常に幅広いです。
例えば、子どもたちの成長を間近でサポートすることにやりがいを感じるのであれば、児童発達支援センターや放課後等デイサービスが適しています。
一方、高齢者の穏やかな生活に寄り添いたいと考えるなら、特別養護老人ホームやデイサービスが選択肢となるでしょう。
支援したい対象者を具体的にイメージすることで、目指すべき分野が自ずと見えてきます。
リハビリテーションには、病気やけがの直後から介入する「急性期」、集中的な機能回復を目指す「回復期」、そして退院後の生活を支える「生活期(維持期)」という段階があります。
どの時期のリハビリテーションに携わりたいかによって、選ぶべき職場の種類は変わってきます。
刻々と変化する状態に対応し、医療的なリスク管理が求められる急性期に興味があるなら総合病院や大学病院が主な職場です。
患者の劇的な回復過程に立ち会い、在宅復帰を支援することに魅力を感じるならリハビリテーション専門病院が適しています。
地域でその人らしい生活を長く支えたい場合は、訪問リハビリや介護施設が選択肢となります。
仕事へのやりがいと共に、給与や福利厚生といった待遇面も長期的に働き続ける上で無視できない重要な要素です。
給与については基本給だけでなく、賞与の支給実績や昇給制度もしっかりと確認しましょう。
また、年間休日数や有給休暇の取得率、残業の有無なども働きやすさに直結します。
さらに、住宅手当や扶養手当、退職金制度、研修参加費の補助といった福利厚生がどの程度充実しているかも施設によって大きく異なります。
複数の施設から提示された条件を丁寧に比較検討し、自身のライフプランに合った、納得できる待遇の職場を選ぶことが求められます。
特に新卒や経験が浅い段階では、就職先の教育・研修制度がその後のキャリア形成に大きな影響を与えます。
入職後の新人研修プログラムの内容、先輩がマンツーマンで指導するプリセプター制度の有無、定期的な院内勉強会の開催状況などを確認することは非常に重要です。
また、学会参加や外部研修への参加を奨励し、費用補助などの支援制度があるかどうかもチェックすべきポイントです。
教育体制が整っている職場では、基礎から着実に知識と技術を身につけることができ、専門職としての成長を実感しながら働くことができます。
施設のウェブサイトや見学時の質問を通じて、人材育成への投資を惜しまない職場かを見極めましょう。
職場の雰囲気や人間関係は、日々の業務のモチベーションを左右する重要な要素です。
作業療法士の仕事は、医師や看護師、理学療法士など多くの専門職と連携するチームアプローチが基本となるため、スタッフ間のコミュニケーションが円滑で、協力し合える風土があるかが鍵となります。
施設のウェブサイトや求人票だけでは分からないこれらの情報は、施設見学やインターンシップに積極的に参加して、自分の肌で感じ取ることが不可欠です。
働いているスタッフの表情は明るいか、職場の年齢構成はどうか、忙しい中でも質問しやすい雰囲気があるかなど、自分がその一員として自然に働ける環境かどうかをしっかりと見極めましょう。
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