2025.10.16
作業療法
監修:田中克一(作業療法士)
「作業療法士の就職先について知る」連載企画 3回目。今回は児童福祉分野|子どもの成長と発達をサポートする作業療法士の仕事について紹介します。
第1回から読む
児童福祉分野での作業療法士は、生まれつき、または病気や事故により発達に課題を抱える子どもたちを支援します。
主な職場は児童発達支援センターや放課後等デイサービスなどです。
ここでの役割は、治療というよりも「療育」の視点が強く、遊びや学習といった子どもにとって身近な活動を通して、運動能力や感覚、認知機能、社会性などの発達を促すことです。
保護者と密に連携を取り、家庭での関わり方について助言を行うことも重要な業務に含まれます。
一人ひとりの子どもの成長に長期的に寄り添い、その可能性を最大限に引き出す手助けをする、非常にやりがいのある分野です。
児童発達支援センターは、主に就学前の、発達に支援が必要な子どもたちが通う施設です。
作業療法士は、子どもの発達段階や特性を評価し、一人ひとりに合わせた療育プログラムを提供します。
ブランコやボールプールなどの遊具を使った遊びを通して、身体のバランス感覚や力のコントロールを養う「感覚統合療法」や、粘土遊びやハサミを使う活動で手先の器用さを育む訓練などを行います。
個別支援だけでなく、小集団での活動を通して、他者との関わり方やルールを学ぶ機会も設けます。
保育士や言語聴覚士など他の専門職とチームを組み、子どもの全面的な発達をサポートします。
放課後等デイサービスは、障害のある小学生から高校生までの子どもたちが、学校の授業終了後や夏休みなどの長期休暇中に利用する通所支援施設です。
作業療法士は、子どもたちが将来、社会の一員として自立した生活を送るためのスキル獲得を支援します。
ソーシャルスキルトレーニング(SST)を通じて対人関係のスキルを学んだり、集団でのゲームや創作活動を通して協調性や自己表現力を育んだりします。
また、個々の興味関心に応じた活動を提供し、自己肯定感を高めることも大切な役割です。
学校や家庭とは異なる第三の居場所として、子どもたちの成長を見守り、支援していきます。
★日リハの学校説明会なら現役作業療法士の話が聞ける★
作業療法士の仕事や具体的な就職先、現場で活躍できる作業療法士になるために必要な勉強について、現役作業療法士に聞いてみよう!
予約は こちら
次回は 【4】その他|多様なフィールドにおける作業療法士の仕事 について紹介します
グループ校