2025.10.14
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作業療法士の就職先は、病院をはじめとして介護施設や児童福祉施設など多岐にわたります。
近年では病院以外で活躍するケースも増えており、多様なキャリアパスを描くことが可能です。
そのため、それぞれの職場でどのような役割を担うのかを理解し、自身の適性や希望に合った就職先を見つけるための選び方を知っておく必要があります。
この記事では、作業療法士の主な就職先とその仕事内容、そして就職活動で失敗しないためのポイントを全4回にわたり解説します。
~ 作業療法士の仕事について ~
【1】医療施設の場合
【2】介護・福祉施設の場合 ※10/15公開予定
【3】児童福祉分野の場合 ※10/16公開予定
【4】その他|多様なフィールドでの就職 ※10/17公開予定
【5】ミスマッチを防ぐ!自分に合った就職先の選び方5つのポイント ※10/18公開予定
【6】内定を勝ち取る!作業療法士の就職活動を成功させるコツ ※10/19公開予定
作業療法士の主な就職先として最も多いのは、病院やクリニックなどの医療関連施設です。
厚生労働省の調査によると、作業療法士の約半数が医療機関に勤務しており、その割合は依然として高い水準を維持しています。
次いで多いのが介護老人保健施設や特別養護老人ホームといった介護・福祉分野の施設です。
その他、発達障害児を支援する児童福祉施設や、行政機関、教育機関など、活躍の場は年々多様化しています。このように、資格を活かせるフィールドは非常に幅広いのが特徴です。
作業療法士が活躍するフィールドは、大きく「医療機関」「介護・福祉施設」「児童福祉分野」「その他」の4つに分類されます。
最も代表的な就職先である病院などの医療機関では、病気やけがをした方の機能回復を支援します。
一方、介護施設では利用者の生活に寄り添い、児童福祉分野では子どもの成長をサポートするなど、領域によって役割や仕事内容は大きく異なります。
それぞれの特徴を理解し、自身の興味やキャリアプランと照らし合わせることが重要です。
第1回目の今回は作業療法士の【医療機関での仕事】について詳しく解説します。
医療機関で働く作業療法士は、病気や事故によって心身に障害を負った患者を対象に、リハビリテーションを提供します。
主な目的は、食事や着替え、入浴といった日常生活動作(ADL)の能力を再獲得し、社会復帰を支援することです。
医師や看護師、理学療法士など他職種と連携し、患者一人ひとりに合わせた治療計画を立てて実践します。
近年では、福祉用具メーカーなどの企業と協力し、患者の生活をより良くするための新しい機器やプログラム開発に関わることもあります。
専門的な知識と技術を用いて、患者の回復過程に深く関与する役割を担います。
一般病院や大学病院は、急性期から回復期、生活期(維持期)まで、幅広い病期の患者を対象とする点が特徴です。
脳神経外科、整形外科、内科、小児科、精神科など多様な診療科が存在するため、さまざまな疾患や障害を持つ患者のリハビリテーションを経験できます。
多岐にわたる症例に関わることで、総合的な知識と技術を習得したい人におすすめの職場です。
医師や看護師、コメディカルスタッフとのチーム医療が中心となり、密な連携が求められます。
多様な経験を積むことは、将来的なキャリアを考える上での大きな基盤となり、自身の専門性を見出すきっかけにもなります。
リハビリテーション専門病院は、大学病院などでの急性期治療を終えた患者が、在宅や社会への復帰を目指して集中的にリハビリを行う施設です。
主に回復期リハビリテーション病棟で、脳血管疾患後遺症や骨折後の患者を対象に、集中的な訓練を提供します。
給料は勤務先の規模や経験年数によって変動しますが、専門性を高めることでキャリアアップも期待できます。
求人情報を比較する際は、給料ランキングのような表面的な情報だけでなく、施設の理念や教育体制が自身の目指す方向性と合致しているかを見極めることが肝要です。
精神科病院における作業療法士は、統合失調症やうつ病などの精神疾患を抱える患者を対象とします。
主な目的は、症状の安定や対人関係能力の改善、日常生活への適応能力の向上を促し、その人らしい生活を取り戻す手助けをすることです。
手工芸、絵画、スポーツ、園芸といった様々な作業活動を治療手段として用い、患者の自信回復や社会参加意欲の向上を図ります。
新卒の作業療法士にとっては、精神科領域の専門知識を基礎から学び、患者の心に寄り添うコミュニケーションスキルを磨く絶好の機会となります。
長期的な視点で患者と関わり、回復過程を支援する点に大きなやりがいがあります。
クリニックは、外来患者を中心にリハビリテーションを提供する小規模な医療機関です。
整形外科クリニックでは、骨折後やスポーツ障害の患者を対象とした運動器リハビリテーション、発達障害を専門とするクリニックでは、子どもたちの感覚統合療法や日常生活動作の指導などを行います。
地域に根ざした医療を提供するため、患者一人ひとりと長期的に関わり、生活に密着した支援ができる点が魅力です。
病院に比べて求人数が限られる傾向にあるため、養成校に寄せられる求人情報を確認したり、クリニックが独自に開催する就職説明会に参加したりして、能動的に情報を集める姿勢が求められます。
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次回は【2】介護・福祉施設での作業療法士の仕事について紹介します
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