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理学療法士・作業療法士養成が変わる!20年ぶりのカリキュラム改訂

 

カリキュラム改定の概要

厚労省が行っている「理学療法士・作業療法士学校養成施設カリキュラム等改善検討会」にて、理学療法士と作業療法士の養成カリキュラムが改定されることが決まりました。

改定の目指すところは、より質の高い理学療法士・作業療法士を育成することでしょう。改定されるまでの20年間で、医療・介護の仕組みが大きく変わりました。今は高齢化社会を背景として医療だけでなく介護の現場、そして地域に密着した現場へと活躍の場が広がっています。

この現状に合わせて柔軟に対応できる理学療法士・作業療法士を育成していくことが今回の改訂の目的と考えられます。

改定内容は大きく分けて以下の3つです。

 

①総単位数

総単位数は93単位以上→101単位以上

・「理学療法管理学、作業療法管理学」の追加

・「画像評価」の必修化

・臨床実習の拡充(理学療法士は18単位→20単位、作業療法士は18単位→22単位)

臨床実習の1単位は40時間以上(実習時間外に行う学修等がある場合には、その時間も含め45時間以内)

 

②臨床実習の在り方

・実習時間の3分の2以上は医療提供施設

・訪問リハビリテーションまたは通所リハビリテーションに関する実習を1単位以上

・臨床実習指導者は5年以上の業務経験があり、厚労省指定の臨床実習指導者講習会を修了した者

・評価実習、総合臨床実習については、診療参加型臨床実習が望ましい

 

③専任教員の要件

専任教員は理学療法士・作業療法士として5年以上の業務経験があり、厚労省指定の専任教員養成講習会を修了した者等

 

 

 

総単位数8単位増による影響

この改定内容の中で特に注目されているのが、総単位数の引き上げです。理学療法士・作業療法士ともに8単位が増えた「101単位以上」の履修が必要になりました。

専門学校をはじめとする養成施設では、3年制と4年制があります。3年制のカリキュラムは、これまでのままでは総単位の履修が入らない恐れがあるでしょう。

新しく増えた履修内容は、今の時代に求められる力を伸ばす授業です。職場管理や職業倫理などを学ぶ「理学療法管理学,作業療法管理学」や、「画像評価」「多職種連携」「予防」などが学ぶべき事項として明記されました。

これまで取り組んでいなかった学校では、これらの授業をどのように行っていくのか、どの教員が担当するのかなど早急に対策が必要です。

 

 

密度の濃い臨床実習のために

臨床実習についても大きな改定がなされました。総単位数が増えたために学生からすると「より大変になった」という印象を受けるかもしれませんが、実際はそうではありません。「魔の実習」「眠れない実習」などと呼ばれるように、これまでは帰宅してからもやっておかなければならない課題や作業が山積みでした。その現状を打破するため、実習時間外の学習に上限が設けられることになりました。

臨床実習の1単位の時間数は「40時間以上,ただし実習時間以外に行う学修等がある場合には,その時間も含め45時間以内」と規定が追加されている箇所ですね。実習時間内により多くのことを吸収できるよう、変革が求められています。

実習の在り方についても、実習時間外の負担の大きい「患者担当型」から、実習指導者の監督・指導の下で実習生が診療チームの一員として加わる「診療参加型」という方向に規定やガイドラインが変更されています。

学生にとっては、現場で活躍する理学療法士・作業療法士の考え方を間近で感じつつ、実践に集中できる良い方法です。

 

 

専任教員は17単位・360時間の講習が必修

最後に、専任教員の要件についてです。まず、理学療法士・作業療法士の5年以上の業務経験が必要です。そして厚労省が指定した専任教員養成講習会の修了が追加になりました。

講習会は17単位・360時間以上と長い時間拘束されますが、これまで明確になっていなかった教員の要件がしっかりと固まることにより学生にとってもいい方向に働くでしょう。

理学療法士・作業療法士としての技術はもちろんですが、人を育てるということに重点を置いた学びは理学療法士・作業療法士のカリキュラム内では賄えません。そして学生だけでなく教員も、これからの社会に対応できる柔軟性を持つことが大切です。教育の仕方から最新のリハビリテーション技術に至るまで、教員が学べる機会が設けられるようになりました。

 

 

以上、これら大きく3点の改正によって、時代のニーズに応える質の高い理学療法士・作業療法士を育成できるよう養成施設が進化していくことが期待されています。

 

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