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理学療法学科 夜間部 2009年度卒業/
理学療法学科 非常勤講師
全米公認ストレングス&
コンディショニングスペシャリスト
【NSCA-CSCS】

橋本 悠太さん

ダブルスクールで培った
オリジナリティ

学科 理学療法学科 夜間部
卒業年度 2009年度卒業
勤務地 増本整形外科クリニック / 日本リハビリテーション専門学校非常勤講師
趣味/特技 読書 バスケットボール ボルダリング
  • 「選手を支えるスペシャリストに!」

    Q. なぜ、理学療法士の道に進んだのですか?
    もともと体育教諭になろうと思い、日本大学の体育学科に在学していました。大学2年の時に授業でスポーツリハビリテーションという授業を受けて、理学療法士という職種を知りました。当時はスポーツリハビリテーションの分野で理学療法士という職業が認知されはじめた頃で、自分自身も学生時代に怪我をしたこともあり、選手をケガから復帰させる仕事に興味を持ち、リハビリテーションのスペシャリストである理学療法士という職業を志しました。
  • 「ダブルスクールの好条件。」

    Q. 学校選びは慎重にされたと思います。なぜ日リハの夜間部を選んだのですか?
    座学だけではなく、実践的なカリキュラム、即戦力の育成という学校方針に惹かれました。教員免許を取得し、大学卒業後に入学することも考えましたが、社会に出るのが遅くなるという不安から、ダブルスクールという形で夜間部に通うことを選びました。高田馬場という学校の立地の良さも理由の一つです。おかげで教員免許取得も大学卒業もどちらも達成できました。
  • 「夜間部ならではの体験。」

    Q. 学生生活はいかがでしたか?
    入学してみると、クラスメイトも高校時代や大学時代と違って様々な年齢層の人がいてとても刺激的でした。私はクラスの中で年下の方でしたが、年齢に関係なく、年上の人たちにも友達感覚で気軽に話せました。多分、向こうからしたら生意気な奴だったかもしれませんが、弟みたいな感じでよく面倒を見てもらいましたね。社会人の方もたくさんいて、一人ひとりが持っているヒストリーやバックボーンが違っていて、話していても楽しかったです。
    大学の授業は3年になると落ち着きはじめていたのですが、4年生のときに教員免許を取得するため3週間高校へ教育実習に行かねばならず、この時は教育実習が終わったらそのまま日リハに通うという生活が続き、さすがにハードでした!
  • 「創造性が磨かれる授業。」

    Q. 理学療法士となられ、現場で日リハでの学びは生かされていますか?
    私からすると日リハの授業は独特で、学生に1〜10まで手取り足取り教えるのではなく、自ら考えさせるスタイルです。簡単に答えを与えられる訳ではないので、授業が終わってからみんなでディスカッションすることもありました。複数で話し合うことで、自分とは違う意見を聞くことができます。これは創造性を養うのに効果的だったと思います。
    臨床の現場では、マニュアルどおりに治療をしても、前回効果的だった治療がまた通用するとは限りません。患者様の状態はその日の気分やいろいろな要素で変化します。疾患名だけでは判断できません。
    「機能解剖や運動学といった基礎分野をベースとして、そこから発展的にリハビリを展開する、一つの考えに囚われず、創造性を持って治療する」という今の私の臨床スタイルは日リハの学生時代に培われたものです。
  • 「将来を見据え、より高い専門性を。」

    Q. 全米公認ストレングス&コンディショニングスペシャリスト(以下:CSCS)という資格をお持ちですが、それはどのような資格でしょうか? また、なぜその資格を取られたのですか?
    CSCSとは傷害予防とスポーツパフォーマンス向上を目的とした、安全で効果的なトレーニングプログラムを計画・実行する知識と技能を有する人材を認定する資格です。指導対象は主にアスリート、スポーツチームです。筋力トレーニングや他の体力要素の指導だけでなく、施設を運営、管理することも重要な職務となります。また、栄養、ドーピング、生活習慣に関する指導など、教育者的側面も併せ持っています。ストレングスコーチ、アスレティックトレーナー、パーソナルトレーナー、医師、フィットネスインストラクター、研究者などがCSCSの資格を取得しています。全世界で38,000名以上、日本では約1,700名のCSCS認定者が活躍しています。(2017年7月現在)
    大学在学中からスポーツ現場での指導に興味を持っていたので、この資格は意識していました。いつかはスポーツの現場でトレーニングやコンディショニングの指導をしたいという思いから、受験資格を得られる大学卒業と同時に資格を取得しました。
    理学療法士の主な職務は、患者様が日常生活に復帰できるようにサポートすることです。他方、スポーツ選手の競技復帰をサポートするには、クリニックでの処理だけではなく、復帰へのアドバイスや競技に合わせたリハビリプログラムを考えたり、高い専門性が必要です。理学療法士の技能と、CSCSの技能を合わせより良いサポートをが可能になります。
  • 「競技復帰がゴールではない!」

    Q. 現在日本ではオリンピックに向けて「スポーツ」というキーワードをあらゆるシーンで耳にします。そのキーワードにおいて、理学療法士の果たすべき役割はどのようなものでしょうか?
    あくまでも持論ですが、理学療法士はリハビリテーションのスペシャリストであり、プロフェッショナルです。「スポーツ」においては不運にも怪我をしてしまった人たちに対して、まずはしっかりとスポーツの現場に復帰させること。スポーツ選手がケガから復帰するためには、100%ではなく120%のゴール設定をしないと選手たちが最も望んでいるニーズに応えることができません。単に復帰させるだけではなく、そもそもなぜ怪我をしてしまったのか、その要因を細かく分析し、身体機能的要因、環境的要因、心理的要因と様々な部分から原因を突き止め、再発予防することはもちろん、受傷以前よりも高いパフォーマンスを発揮できるようにすること。もっと言えば、そういった経験を積み重ねることにより、そもそもスポーツで怪我をさせないようにするための身体作りをサポートする、障害を予防することが当たり前という意識を選手たちに持たせること。誰もが最も良いコンディションでスポーツに打ち込み、高いパフォーマンスを発揮できるようにサポートしていくことがスポーツ分野における理学療法士の役割だと思っています。
    また、私の今後の活動としては、スポーツの現場と医療現場がうまく連携できるような橋渡し的な役割をしていきたいです。身近なところでは、学校の中でトレーナーや理学療法士として、部活動に一生懸命取り組む生徒たちをいつもベストコンディションでプレーが出来るようにサポートする。そんなシステムを作りたいと考えています。
  • 「考えさせる=日リハStyle」

    Q. 日リハの非常勤講師としてもご活躍されていますが、母校に戻ってきた感想をお聞かせください。
    自分が学んだ学校に、講師として戻ってこられたことを嬉しく思います。元々は大学に通い、教員になろうと思っていたので、理学療法士になった後に教育現場に立たせてもらうことが出来ることに感謝してます。
    日リハの講師になったきっかけは、卒業するときに先生からお声掛けいただいたことでした。カリキュラムに関してはある程度は自分で決めて良い、とのことだったので、せっかく自分が担当するのだからテーピングの巻き方やトレーニング法など、臨床現場でも使える技術が身に付くような内容を取り入れたり。ここでも自身の持つトレーナー資格が役に立ちました。
    学生のときには理解できなかった先生方の言葉が、教員になって理解できるようになったこともあります。日リハで学んだことを自分なりの伝え方にアレンジしたり工夫はしていますが、「考えさせる」という日リハのスタイルはもちろん踏襲しています!
  • 「自分に厳しく、目標は高く!」

    Q. 目の前の学生やこれから理学療法士を目指す方にメッセージをお願いします。
    とにかく、学生生活を思う存分楽しんでほしいと思います。勉強だけでなく、遊びや人とのコミュニケーションの中に理学療法士になってから役立つこともたくさんあります。それを学生のうちに体験してほしいです。
    あとは、自分は将来こういう理学療法士になりたいというイメージは漠然とでもいいので持っていてほしいですね。それが学生生活を過ごす中でのエネルギー源になることもあります。今でも当時のクラスメイトと食事をしたり交流していますが、当時から高い目標や夢を持っていた人は今も第一線で活躍しています。
    臨床では、自分はできたと思ってもできていない、ということが今でもあります。ゴールはありません。国家試験に合格することに満足せず、その先で何をしたいか? ということを考え、より高いところを目指してください。
    理学療法士という職業は、今後さらに質が問われるようになります。医療は日進月歩で、自分たちも日々新しいことを学んでいかないと取り残されてしまいます。
    体力的にも決して楽な仕事ではないですが、理学療法士という職業は誇りを持って従事できる、それくらいやり甲斐のある仕事だと思います。
    自分次第では楽にもこなせますが、望めばどこまでも追求できる仕事です。わからない症例や、最善を尽くしても症状が改善しない場合もあります。そんな時でも諦めず、机上では答えが出ないときは患者様と会話をしてください。その中にヒントがあることも。文献どおりではなく症状を見ながらいろいろな可能性を考慮し、答えを見い出してください。
  • 「全ては患者様(選手)のために」

    Q. 理想の理学療法士像を教えてください。
    病院に来る患者様であってもスポーツ現場にいる選手であっても、「全ては患者様(選手)のために」ということを考えて臨床に出ています。 出会ったことで、その患者様(選手)に何かを残せる、出会ってよかったと思ってもらえるような理学療法士が理想像です。 そのためにも、コミュニケーションをとるうえで相手の表面だけでなく背景まで理解することを心がけています。