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理学療法学科 昼間部 4年生(2022年3月現在)

本田 朱里さん

長期実習において直面した壁を
先生のサポートで乗り越えていく

学科 理学療法学科
学年 昼間部 4年生
 
趣味/特技 筋トレ、ショッピング/ピアノ、短距離走
  • 高校生からの志望動機のトップである、他校や厚生労働省が定める基準時間を遥かに超えた臨床実習時間。理学療法学科4年生の本田朱里さんに、実習の体験を振り返っていただきました。本田さんは、どのような壁に直面し、それを乗り越えていったのでしょうか。

    「実習前の補講での夜間部との交流」

    Q. 臨床実習時間の長さや実習先の豊富さ、手厚いサポートは、日リハの即戦力の育成における根幹でもあります。本田さんは、臨床実習に臨むための事前学習はいかがでしたか?
    事前学習については、コロナ禍になる前は実技の練習をする時間があったり、先生方が自主的に補講を組んでくださったり、クラスメイト同志で放課後の教室を借りて実技の練習を行ったりしていました。
    先生方の補講については、昼間部も夜間部も関係なく希望者を募って実施していただいたのですが、そこで夜間部の方と接することができて個人的には様々な発見がありました。それは昼間部と夜間部の目線の違いとも言えるもので、とても良い時間だったと思います。
    Q. 本田さんが感じられた「目線の違い」について詳しく教えてください。
    私が感じた両者の目線の違いとは、昼間部は基礎から着々と学びを進めていくオーソドックスなスタイルですが、夜間部は昼間部に比べると単位数が少ないということもあって、その分応用に割く割合が多いことに由来しています。昼間部は基礎的なことはできているのですが、患者さんによって実技を変えていくアプローチ、「こういう人に対し方がよくてどう接すればいいのか」がまだまだわからない部分が多いです。一方で、社会人を経験されている夜間部の方からの意見を聞くと、「こういう接し方もある」「こういう患者さんの場合はこうした方が喜ばれたよ」など、人と対し方などいろいろと教えていただきました。まさに目から鱗が落ちるような気持ちになりました。
  • 「実習で突き付けられた自分の課題」

    Q. 初めての長期臨床実習の現場に立った時、本田さんは何を感じましたか?
    長期臨床実習は、3年次は回復期病院でした。評価から治療まで見せていただいた時は、“学校で学んだ知識がこうやってつながるんだ”と感じることもありましたが、現場に立った時にまだまだ自分には足りないことが多いということを実感しました。それでも実際に患者さまの姿を見て、授業や事前学習を通じて身につけた知識とつながった時は楽しいと思うことができましたし、現場で働く理学療法士の方の姿を見て「こういう人になりたい」と思い、この仕事を目指して正解だったと感じました。
    Q. 実習では日リハの学びはどのように活きましたか?
    私が一番苦手としていたのは、「患者さんの問題点の抽出」です。評価は頭に入っていて検査そのものをすることはできるのですが、そこから患者さんの動作能力レベルと検査結果との因果関係を結びつける作業である「統合と解釈」をとても苦手にしていました。実習でも毎日提出しては修正の繰り返しで、それを深夜2時までやっていたことも。その苦手意識は、4年次の実習の前段階にあったオンライン実習の時まで引きずっていました。
    そのオンライン実習の際に、先生が「統合と解釈のコツ」という内容で講義をしてくださいました。その中で「関連図を書くとわかりやすい」ということを教えてくださって、実際の問題点の抽出の仕方まで説明していただけたのです。その後、実際に実習で問題点の抽出の時に関連図を書いて提出すると、バイザーさんに褒めていただけました。たった一回の授業で、苦手を克服し、変わることができたことは自分の自信につながりました。
  • 「先生からの手厚いサポート」

    Q. 臨床実習に際し、先生方や学校のサポートはどうでしたか?
    最後の実習である4年次の2回目の時は、実習先の領域は難病の患者さまで、治らずに症状が進行している方でした。本来は8週間だったところが、コロナで6週間に短縮されてしまったのですが、定められた期間の中で私に何かできることはあるだろうかとずっと考えていました。
    もちろん自分一人で何かができるわけではないので、ひたすら担任の先生に何度もメールを送って相談したり、電話をかけたりして状況を逐次伝えていました。その時も、すごく丁寧にメールを返してくださったり、わざわざ電話で長い時間アドバイスをいただいたりした上に、さらに実習地訪問でも細かく助言していただきました。私自身、悔いが残らないように最後の実習を徹底的にやりたかったからなのですが、それらのすべてに対して応えていただけたことをとても感謝しています。
  • 「短い期間でも誰かの人生を変えることができる」

    Q. 実習時に思い出に残るエピソードがありましたら、教えてもらえますか?
    初めて患者さんに関わった3年生の評価実習の時のことですが、最終日にずっとリハビリをしていた患者さんに最後に挨拶したところ、「本田さんだったら絶対にいい理学療法士になれるから、ご縁を大事にしてね」と言っていただいて、握手をしながら泣いてしまったことがありました。
    そして4年生の最後の実習時には、難病の方に対してこちらが自主トレーニングをいつやった方がいい、どういう風にやったほうがいいということを記したパンフレットを作って渡したりもしました。その時の患者さんは、できないことが増える疾患の方だったのですが、最終日になって「本田さんのおかげで寝返りがうてるようになって睡眠が楽になり、夜中起きることが少なくなりました。本当にありがとうございました」と言っていただいた時に、6週間という短い期間の中でも、関わり方次第で誰かの人生を変えることができるということを改めて感じることができました。
  • 「実習で出会った理学療法士のようになりたい」

    Q. 本田さんが目指す理学療法士像を教えてください。
    実習時に現場で働く理学療法士の熱量を見て、「仕事に対してこういう姿勢でいたい。知識の面以外でもこういう人を目指したい」という方々にも出会えたことで、人として大切なことを学ぶことができました。
    これから目指していきたいのは、“現場の環境に依存しない理学療法士”です。現在、病院の施設やシステムに頼れば、回復期の患者さんであれば、自然治癒力も相まってある程度の結果を出すことができます。実習でも様々な理学療法士の方を見てきましたが、最後の実習の時に出会ったバイザーの方が本当に熱心な方で。「自分にできることは自分が受け持っている患者さまには全部やってあげたい」という方で、患者さまに対するプレゼンテーションの仕方も他の方とは異なっていました。
    患者さまが気になっていることを夜遅くまで調べたりするのはもちろん、その方がお休みの日でも相談したら返してくれたりして。“患者さまのため、教育のため、人に尽くした分は絶対にいつか返ってくるから、とにかく人に尽くしなさい”と言ってくださったのですが、私もこの考え方に共感しましたし、それを実践できる理学療法士になりたいと思っています。