作業療法士を目指す方

患者さんの「食べる」を支える!食事と作業療法の関わりは?

 -目次-

  • 食事と作業療法
  • チームで取り組む摂食・嚥下
  • 学生でもできる!?食事訓練の訓練

 

食事と作業療法

人が生活していく上で必要な動作(食事・整容・更衣・排尿・排便・入浴など)を日常生活動作(ADL)といいます。

作業療法士は、一般的な環境での動作が困難な方々に対して、それぞれの動作の獲得訓練を行います。併せて、訓練室での動作獲得から生活動作として自立できるよう他部門と協力しながら訓練を進めていき、最終的には獲得動作がセンター終了後の生活でも継続できるよう支援します。

今回はこの、日常生活動作の中の「食事」について注目してみましょう。

食べることは人間にとって生きるために必要な活動のひとつです。さらに好きな食べ物を好きなように食べることは、生活を豊かに送るためには非常に重要です。食事が満足いくようにとれないとストレスを感じますし、逆に他のことが制限されている状態でも食事がうまく取れるだけで大きな満足感や自信を持つことができます。

「食事がうまく取れない」という状況について具体的に考えてみましょう。まずは「自分で食べたい」という患者さんの意欲があるかどうか。ない場合はそれをまず膨らませるよう、食事が楽しいものだと思ってもらうことやその喜びを感じたいと思ってもらえるように工夫をしていきます。

次に、箸を持てるか・皿を押さえられるか・スプーンですくえるか、など動作のどこでつまずくのかを解析していきます。問題点を細分化していき、それぞれの動作に必要な訓練を重ねていきます。

食事指導だけでなく、手先を使う作品作りや身体全体の筋肉を動かす運動などにより食事の動作が良くなるということもあります。多角的に患者さんを診て、アプローチを決めていくことが重要です。

その他、内科的な障害で食事ができない患者さんや、認知機能の低下により食事を認知できていない患者さんなど、原因は多岐にわたります。それぞれに適切なアプローチを考えるのが作業療法士の仕事です。

 

チームで取り組む摂食・嚥下

食事の「動作」については、作業療法士がプロフェッショナルとして患者さんと向き合います。ですが、「食事」そのものについては作業療法士だけでなく他の専門職が中心となってチームを作り、一緒に取り組んでいきます。

作業療法士とチームを組んで食事訓練に臨む専門職は、「摂食・嚥下障害看護の認定看護師」がまず挙げられます。

通常の看護師よりも高度な専門的能力を有した看護師のことで、21分野あります。食事訓練に関わるのは摂食・嚥下障害看護の分野に特化した認定看護師ですね。

認定看護師になるためには、看護師免許取得後に実務研修が通算5年以上あること(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)がまず求められます。さらに認定看護師教育機関へ入学し、修了し、認定審査に通る必要があります。晴れて認定看護師と認められた後も、書類審査で5年ごとに更新しなければならないという非常に厳しい資格です。

そのため、認定看護師は摂食・嚥下においてプロフェッショナルであると言えるでしょう。目標設定の段階から作業療法士と協力し合い、リハビリを進めていくことができます。

その他には、管理栄養士もチームに関わります。食事のメニューや内容を決めて栄養管理をするだけでなく、患者さんの状態に合わせて食べやすい食事の指導を行います。

歯科衛生士も役割があります。健康に問題のない人でも、歯が痛ければ食事は不快なものになり最終的には口に食べ物を入れる・噛むといった行為ができなくなってしまいますよね。歯科衛生面で患者さんに問題があればそれを明確にし,歯科衛生ケアプロセスの流れに沿って摂食・嚥下リハビリテーションを行います。

 

学生でもできる!?食事訓練の訓練

道具が必要な作業療法と違い、食事訓練の作業療法は毎日の食事の中で訓練を実践してみることができます。作業療法士を目指す学生さんは、今後の練習として以下のことに気を付けてみてはいかがでしょうか?

取り組みやすい食事訓練は、「姿勢を気を付ける」ことです。普通の食事をする際に、少しだけ意識して「誤 嚥を引き起こしにくい姿勢」を取ってみましょう。

1:首の角度

顎を上げ下げしながら飲み込みを行ってみてください。顎を少し引くと、食道へ食物が流れやすいことがわかります。

2:体幹の安定性

体を傾けながらだと食べこぼしやすくなり、飲み込みもうまくいきません。

3:足の位置

子供が遊び食べをする際によく見られる現象ですが、足をぶらぶらとさせていると体が安定せず飲み込みにくくなります。足をしっかり床や台につけた状態で食事をしましょう。

4:テーブルとイスの高さ

テーブルが低すぎて猫背になっていないか、肘が当たってしまわないか、背もたれがあるかどうか、お椀の中の食事が目で確認できるくらいの高さがあるか...などをチェックしてみましょう。

 

「姿勢」一つをとっても、これだけチェックする項目があります。それぞれ良い姿勢と悪い姿勢を自分で体感してみることで患者さんをより的確に観察できるようになりますよ。

また、今作業療法士を目指す学生さんにとっては作業療法士の仕事を身近に感じられるのではないでしょうか。もし機会がありましたら一度実践してみてください。

 

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