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作業療法士専門学校の選び方|大学との違い・学費・合格率を比較

2026.03.04

作業療法

 

 

 

作業療法士専門学校の選び方|大学との違い・学費・合格率を比較

監修:日本リハビリテーション専門学校 阿部 英人(作業療法士)

 

作業療法士を目指す際、専門学校は実践的なスキルを効率良く学べる選択肢です。
しかし、大学や短大との違い、学校ごとの特色を理解しなければ、自分に合った学校選びはできません。
この記事では、作業療法士になるための進路で悩んでいる方へ向けて、専門学校と大学の比較、後悔しないための選び方のポイントを解説します。

国家試験の合格率や学費、カリキュラムといった具体的な比較基準を参考に、おすすめの学校を見つけるための一助としてください。
学校一覧を見る前に、まずは自分なりの判断基準を確立しましょう。

 

 

作業療法士になるには?国家資格取得までの3ステップ

作業療法士として働くためには、国家資格の取得が必須です。
資格を得るまでには、国が定めた教育課程を修了し、国家試験に合格するという明確な道のりが存在します。
作業療法士になるには、まず養成校で専門知識と技術を学び、卒業時に国家試験の受験資格を得ることが第一歩です。

ここでは、作業療法士の資格を手にし、専門職としての一歩を踏み出すために必要な3つのステップを具体的に解説します。
夢を実現するため、まずは着実な計画を立てることから始めましょう。

 

 

ステップ1:養成校に入学し、必要な知識・技術を3年以上学ぶ

作業療法士になるための第一歩は、文部科学大臣または厚生労働大臣が指定する養成校に入学することです。
養成校には大学、短期大学、専門学校があり、いずれの学校でも3年以上、専門知識と技術を学ぶ必要があります。
入学するためには、各学校が実施する入試に合格しなければなりません。

選考方法は一般入試や推薦入試、AO入試など多様ですが、特に面接では、医療従事者としての適性やコミュニケーション能力、学習意欲などが評価される傾向にあります。
自分に合ったカリキュラムや教育方針を持つ学校を選び、入試対策を進めることが重要です。

 

 

ステップ2:国家試験の受験資格を取得する

作業療法士国家試験を受験するためには、まずその受験資格を得る必要があります。
この資格は、指定された養成校(大学、短大、専門職大学、専門学校)で3年以上学び、解剖学や生理学、運動学、臨床心理学といった基礎分野から、作業療法評価学や治療学などの専門分野に至るまで、国が定めたカリキュラムを全て修了することで得られます。

座学だけでなく、医療機関や福祉施設などで行われる臨床実習も必須単位に含まれており、これらの全課程を履修し、卒業見込みとなることが受験の前提条件となります。
計画的に単位を修得し、卒業要件を満たすことが不可欠です。

 

 

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ステップ3:国家試験に合格して作業療法士の資格を得る

養成校を卒業見込み、または卒業することで得られる受験資格をもって、年に1回、2月に行われる作業療法士国家試験に臨みます。
この試験に合格することで、晴れて作業療法士としての免許が与えられます。
試験の難易度については、近年の合格率が80%前後で推移していることから、養成校のカリキュラムを真面目にこなし、試験対策を十分に行えば、合格は決して難しいものではありません。

しかし、専門的な知識を問われるため、計画的な学習が不可欠です。
多くの学校では、国家試験対策の特別講義や模擬試験など、手厚いサポート体制を整えています。

 

 

専門学校を選ぶ前に知りたい!大学・短大との違いを徹底比較

作業療法士を目指せる養成校には、専門学校の他に大学や短期大学、専門職大学にも存在します。
それぞれ修業年数や学費、取得できる学歴、そして学ぶ内容に違いがあるため、自分の将来像や学習スタイルに合った進路を選ぶことが重要です。

例えば、理学療法士を目指す場合と同様に、私立だけでなく公立の学校も選択肢に含まれます。
ここでは、専門学校、大学、短大のそれぞれの特徴を比較し、メリット・デメリットを明らかにすることで、後悔のない進路選択をサポートします。

 

 

【比較表】修業年数・学費・最終学歴の違いが一目でわかる

養成校を選ぶ際の主な比較ポイントは、修業年数、学費、最終学歴です。
専門学校は3年制と4年制があり、大学は4年制が基本です。
3年制の専門学校は最短で資格取得を目指せる分、カリキュラムが密になりますが、4年制に比べて卒業までの総費用を抑えられる傾向にあります。

一方、4年制の大学や専門学校は、じっくりと学べる時間が確保されています。
卒業すると、専門学校では「専門士」または「高度専門士」、大学では「学士」の学位が得られます。
この学歴の違いは、将来大学院への進学などを考える際に影響する場合があります。

 

 

専門スキルに特化して現場を目指せる専門学校のメリット

専門学校の最大のメリットは、作業療法士として必要な専門知識と実践的技術の習得に特化したカリキュラムが組まれている点です。
一般教養科目が少ない分、専門分野の授業や演習に多くの時間を割くため、即戦力として活躍できるスキルを効率的に身につけることが可能です。

特に3年制の学校であれば、大学よりも1年早く国家試験を受験し、臨床現場で働き始めることができます。
卒業後、いち早く専門職としてキャリアをスタートさせ、実務経験を積みたいと考えている人にとって、専門学校は魅力的な選択肢となります。

 

 

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一般教養も学び研究職も視野に入れられる大学のメリット

大学で作業療法を学ぶメリットは、専門科目に加えて幅広い一般教養科目を履修できる点にあります。
心理学、社会学、倫理学といった多角的な視点から物事を捉える能力を養い、人間性豊かな医療人としての土台を築けます。
また、研究設備が充実しており、卒業研究を通して論理的思考力や研究手法を学べるため、将来的に大学院へ進学し、研究者や教育者としてのキャリアを目指す道も開かれています。

給与水準の高い病院や研究機関への就職を考える場合、大卒の学歴が有利に働く可能性もあり、キャリアの選択肢が広がる求人に応募しやすくなります。

 

 

後悔しない作業療法士専門学校の選び方7つのポイント

自分に合った作業療法士専門学校を選ぶためには、いくつかの重要なポイントを比較検討する必要があります。
知名度や立地だけで決めてしまうと、入学後に「こんなはずではなかった」と後悔するかもしれません。
国家試験の合格率や就職実績といったデータはもちろん、カリキュラムの内容や実習先の環境、学費、サポート体制など、多角的な視点から自分にとって最適な学校を見極めることが、夢を実現するための第一歩となります。

ここでは、学校選びで失敗しないための7つのチェックポイントを具体的に解説します。

 

 

ポイント①:国家試験の合格率は全国平均より高いか

作業療法士になるためには国家試験の合格が必須であるため、学校選びにおいて合格率は極めて重要な指標です。
注目すべきは、単年度の合格率だけでなく、過去数年間にわたって安定して全国平均を上回る実績を維持しているかどうかです。
高い合格率は、質の高い教育内容や充実した国家試験対策、学生一人ひとりへの手厚いサポート体制が整っている証拠と言えます。

学校の公式サイトやパンフレットで公開されている合格率の推移を確認し、教育の質を見極める判断材料としましょう。
合格実績は、3年間安心して学習に集中できる環境かどうかを測るバロメーターになります。

 

 

ポイント②:希望分野への就職実績は豊富か

作業療法士が活躍する場は、身体障害、精神障害、発達障害、老年期など多岐にわたります。
自分が将来どの分野で働きたいかというビジョンを持ち、その分野への就職実績が豊富な学校を選ぶことが重要です。
学校のウェブサイトやパンフレットに掲載されている「主な就職先一覧」を確認し、卒業生がどのような医療機関や施設で活躍しているかをチェックしましょう。

特定の分野に強みを持つ学校や、幅広い領域への就職実績がある学校など、特色はさまざまです。
自分のキャリアプランと照らし合わせ、希望する進路を実現できる可能性が高い学校を見極める必要があります。

 

 

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ポイント③:臨床実習先の病院や施設は充実しているか

臨床実習は、学校で学んだ知識や技術を実際の現場で統合し、実践力を養うための重要な機会です。
そのため、実習先の質と量は学校選びの重要なポイントとなります。
急性期病院、回復期リハビリテーション病院、介護老人保健施設、特別支援学校など、多様な領域を経験できる実習先が確保されているかを確認しましょう。

また、実習先のバリエーションだけでなく、自宅から通いやすい場所に提携施設が豊富にあるかもチェックすべき点です。
質の高い実習経験は、卒業後の臨床能力に直結するため、提携している実習先の情報を事前にしっかりと収集することが求められます。

 

 

ポイント④:実践的なカリキュラムや授業内容になっているか

作業療法士には、対象者に合わせて適切な支援を提供する実践能力が求められます。
そのため、座学で知識をインプットするだけでなく、学内での演習やグループワークなど、アウトプットの機会が豊富に用意されているかを確認することが重要です。

実際の臨床現場を想定した実習室でのシミュレーション教育や、学生同士で治療場面を再現する授業など、実践的なスキルが身につくカリキュラムが充実している学校を選びましょう。
また、長年臨床現場で経験を積んだ教員から、最新の知識や技術を直接学べるかどうかも、質の高い教育を受けられるかを判断する上での大切な要素です。

 

 

ポイント⑤:総学費と利用できる奨学金制度は豊富か

作業療法士の専門学校に通うためには、決して安くない学費が必要です。
入学金や授業料のほかに、教科書代、白衣代、実習費などが別途かかる場合もあるため、入学から卒業までにかかる総額を事前に正確に把握しておくことが不可欠です。
パンフレットや募集要項で総学費を確認すると同時に、利用可能な奨学金制度についても詳しく調べましょう。

日本学生支援機構のような公的な制度に加え、学校独自の奨学金や特待生制度、医療法人が運営する病院の奨学金など、選択肢は多様です。
経済的な負担を軽減し、学業に専念できる環境を整えるために、自分に合ったサポート制度を探すことが重要です。

 

 

ポイント⑥:設備環境や教員のサポート体制は整っているか

学習効果を高める上で、学校の設備環境は重要な要素です。
実際の医療現場で用いられているリハビリテーション機器や評価用具、日常生活動作を訓練するための模擬家屋などが整備されているかを確認しましょう。
充実した設備は、より実践に近い形での演習を可能にします。

また、教員一人当たりの学生数が少なく、学生との距離が近いかどうかも大切なポイントです。
少人数制のクラスであれば、教員からきめ細やかな指導を受けやすく、質問や相談もしやすい環境です。
学習面だけでなく、国家試験対策や就職活動における個別のサポート体制が整っているかも確認しましょう。

 

 

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ポイント⑦:無理なく3〜4年間通える立地・アクセスか

専門学校での3年または4年間は、授業や実習、国家試験の勉強などで非常に多忙な日々を送ることになります。
そのため、自宅から無理なく通える立地であるかどうかは、想像以上に重要な選択基準です。
毎日の通学が大きな負担になると、学習意欲の低下や体調不良につながりかねません。

学校の最寄り駅からの距離や所要時間、利用する交通機関の混雑具合などを事前に確認し、自分のライフスタイルと照らし合わせて3年間通い続けられるかを現実的にシミュレーションしておきましょう。
オープンキャンパスなどに参加して、実際に通学経路を体験してみるのも一つの方法です。

 

 

社会人・働きながら作業療法士を目指す場合の学校選び

キャリアチェンジを目指す社会人にとって、働きながら作業療法士の資格取得を目指す道は大きな関心事です。
しかし、作業療法士の養成課程は実習が必須のため、完全な通信教育はなく、通学が基本となります。
そのため、現在の仕事と学業をいかに両立させるかが最大の課題です。

社会人が学校を選ぶ際には、高校生とは異なる視点、特に学習時間帯の柔軟性や経済的負担を軽減する制度の有無が重要になります。
ここでは、働きながら学ぶための具体的な学校選びのポイントを解説します。

 

 

働きながら学べる夜間部のある学校を選ぶ

社会人が働きながら作業療法士を目指す場合、最も現実的な選択肢となるのが夜間部(第2部)を設置している専門学校です。
昼間は仕事をし、平日の夜間や土曜日に通学して学ぶスタイルになります。
昼間部と比べて修業年数が1年長くなり、4年制となるケースが一般的ですが、日中の収入を維持しながら学習を進められる大きなメリットがあります。

ただし、仕事と学業の両立は体力と精神力が求められるため、強い意志と自己管理能力が不可欠です。
また、夜間部を設置している学校は限られているため、通える範囲に該当する学校があるか、事前に情報を集める必要があります。

 

 

学費の負担を減らす社会人向けの学費サポート制度をチェック

社会人がキャリアチェンジを目指す際の経済的負担を軽減するため、国は「専門実践教育訓練給付金」という制度を設けています。
これは、厚生労働大臣が指定する講座を受講した場合に、支払った学費の一部がハローワークから支給されるものです。
作業療法士の養成課程も対象となる場合が多く、この制度を利用できれば学費負担を大幅に減らすことが可能です。

学校選びの際には、志望校がこの制度の対象講座に指定されているかを確認しましょう。
また、学校によっては独自の社会人向け奨学金制度や入試制度を設けている場合もあるため、積極的に活用を検討することが推奨されます。

 

 

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作業療法士の専門学校選びに関するよくある質問

作業療法士を目指して専門学校を選ぶ際には、多くの人が同じような疑問や不安を抱えるものです。
学歴による将来への影響、オープンキャンパスで何をチェックすべきか、あるいは修業年数の違いによるメリット・デメリットなど、事前に解消しておきたい点は少なくありません。

ここでは、進路選択を控えた方々から特によく寄せられる質問とその回答をまとめました。
これらの情報を参考に、自身の疑問をクリアにし、納得のいく学校選びを進めてください。

 

 

大学卒と専門学校卒で就職や給料に差は出ますか?

作業療法士の就職や給料において、大学卒と専門学校卒で決定的な差が生じることは稀です。多くの医療機関では、学歴よりも国家資格の有無や実務能力が重視されるため、専門学校出身者も対等な条件でキャリアをスタートできます。

特に4年制の専門学校を卒業して得られる高度専門士は、大学卒業資格である学士と同等の学位として認められています。これにより、大卒者と同じ条件で大学院への進学が可能になるなど、将来的なキャリアの選択肢が狭まる心配はありません。

4年制専門学校は、大学と同様に時間をかけて深い専門知識を習得しながら、より実践的な技術訓練に重きを置いた教育を受けられる点が大きな魅力です。学士と同等の社会的評価を得つつ、現場で即戦力として通用する高度なスキルを磨けるため、非常に有用性の高い選択肢といえます。

 

 

オープンキャンパスに参加する際に見るべきポイントは何ですか?

オープンキャンパスでは、学校の雰囲気、施設の充実度、教員や在校生との対話を重視すべきです。
パンフレットだけでは分からない、実際の学習環境や学生生活の様子を肌で感じることが目的です。

特に、リハビリ機器などの設備が整っているか、模擬授業は分かりやすいか、先生や先輩に気軽に質問できる雰囲気があるかなどを確認し、自分に合う学校かを見極めることが重要です。

 

 

3年制と4年制の専門学校がありますが、どちらが良いのでしょうか?

3年制と4年制のどちらが適しているかは、個人の目的や学習スタイルによって異なります。3年制の最大のメリットは、1年早く現場に出て臨床経験を積める点です。最短でプロを目指したい方には最適ですが、養成校としての必修カリキュラムの総量は4年制と同じです。そのため、膨大な学習内容を3年間に凝縮して学ぶ必要があり、日々の勉強量は非常に多く、非常にハードなスケジュールになる点には注意が必要です。

対して4年制は、時間をかけて知識を定着させ、専門性を深められる余裕があります。卒業時に高度専門士の称号が得られ、大学院進学など将来の選択肢を広げたい方に向いています。ただし、3年制に比べて卒業が1年遅くなることや、1年分多くの学費が必要になることがデメリットです。自身の体力や経済状況、目指す将来像を照らし合わせ、納得できる期間を選択しましょう。

 

 

まとめ

作業療法士の専門学校を選ぶ際には、まず大学や短大との違いを理解し、自分のキャリアプランに合った養成校の種類を見極めることが第一歩です。
その上で、国家試験の合格率や希望分野への就職実績といった客観的なデータを確認し、教育の質を判断する必要があります。

さらに、臨床実習先の充実度、実践的なカリキュラム、3年間の総学費と利用可能な奨学金制度、設備環境やサポート体制、そして通学の利便性といった複数の視点から総合的に比較検討することが、後悔のない学校選びにつながります。

 

監修:日本リハビリテーション専門学校 阿部 英人(作業療法士)

 

 

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