最後の実習が終了して・・・そして

こんにちは。作業療法学科夜間部教員の松生です。

 

先日、作業療法学科4年生の臨床総合実習が終わり、これで4年生は学生時代におけるすべての実習を終えることができました。学生にとって大変貴重な経験となり、ひとまわり成長して学校へ戻ってきた姿をみると少し頼もしさも感じます。

 

ご協力いただいた患者様、利用者様、臨床実習指導者様ならびに病院、施設の職員の皆様には大変感謝しております。この場を借りてお礼申し上げます。

 

 

本当に本当にありがとうございました。

 

 


そして実習地の先生方、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします

 

 

 

さて、

 

実習が終わり、学生にとってはホッと一息つきたいところですが、もう次の試練が待っています。それは、何と言っても卒業と同時に取るべき資格のため、作業療法士の国家試験です!

 

 

 

 

参考までに作業療法士の国家試験問題を過去問より。

 

 


 

(第47回専門基礎 午前52より)

第1問 骨折部の血流が障害されやすいのはどれか。2つ選べ。

  1. 脛骨粗面
  2. 大腿骨頭
  3. 坐骨結節
  4. 手の舟状骨
  5. 上腕骨大結節

(答えはこのページの一番下に)

 


 

 

 

理学療法士も同様ですが、この仕事に就くためには、国が定めた3年制以上の養成校を卒業すること(今年度の場合は平成29年度3月21日までに卒業または卒業見込み)を条件に、受験資格が得られます。

 

 

ちなみに今年度の国家試験は理学療法士、作業療法士ともに平成29年2月26日(日曜日)に行われます。

 

 

国家試験(作業療法士)の合格率はというと昨年度は87.6%(厚生労働省発表)となっております。ここ10年でみても70%台前半から80%台後半のあたりで推移しています。

 

 

この数字を聞いて「なんだ結構高いじゃないか!」と感じる方も多いかもしれません。その通りです。学校に入学ししっかりと勉強をしていけば大丈夫・・・。しかし、そうはいっても学校へ入学してから学ぶべきことは非常にたくさんあり、決して簡単なことではありません。

 

 

もう1問!

 


 

 

(第47回専門基礎 午前98)

第2問 うつ病でみられやすい訴えはどれか。

  1. 「テレビで見張られている」
  2. 「何か恐ろしいことが起こりそうだ」
  3. 「新しいアイデアが次々と湧いてくる」
  4. 「自分の考えがみんなに知れ渡っている」
  5. 「取り返しのつかない罪を犯してしまった」

(答えはこのページの一番下に)

 


 

 

 

 

 

日頃の努力(勉強)の積み重ねが何といっても大事になってきますね。4年生にとっては、何だかんだでこれからが勝負です!

 

 

日本リハビリテーション専門学校の国家試験対策も始まっています。卒業までもう一度気を引き締めて、全員で合格できるよう頑張っていきましょう!!

 


 

【問題の答え】
第1問 2,4
第2問 5

臨床実習後の報告会

みなさん、こんにちは。理学療法学科夜間部の黒木です。先日、最終の臨床実習を終えて帰ってきた4年生の臨床報告会が行われました。最終の臨床実習とあって、3年次とは違い、内容もかなり充実していました。

 

 

発表風景

 

 

発表は10分、質疑応答20分、質問がかなり出ます。

 

 

臨床現場では学校で教わる基本的な内容と違い、患者さんには基本の疾患に加えて個々にさまざまな状況があり、幅広く思考を広げて、問題点や治療を考え、実践しなくてはいけません。

 

 

とくに、理学療法士は「起きる」「立つ」「歩く」といった日常生活に必要な基本的な動作と運動機能の関連性を深く考えなければなりません。

 

 

学生はこの課題に大変苦労するのですが、患者さんの状態を把握するのに具体的な面と抽象的な面の両方から理解する必要があります。それらには必ずつながりがあります。

 

 

いくら詳細な検査や動作のデータを集めても、それが患者さんの生活にどう関わってくるのか、この情報の関連付けをしなければ、患者さんの重要な問題点を把握することができません。浅い考えでは治療をしても効果は出てきません。

 

 

それでは目の前の患者さんの役には立てませんよね。

 

 

この実習で現場のPTを見て学んだことは、学生にとっては1つのPTモデルとなることと思います。

 

 

患者さんのためにも、自分のPTレベルを上げるためにもこれからも学び続けてほしいと思います。

 

 

これから国家試験という大きな山がありますが、これから理学療法士として目の前の患者さんの役に立つという意識をもってこれからの半年間も勉強していってほしいと思います。

 

 

※PT・・・Physical Therapist(理学療法士)の略称

評価実習のお話し~作業療法学科編

作業療法士を目指す学生はどの養成校に入っても、必ず臨床実習という病院や施設で勉強をする機会があります。当校では3週間を2回の期間に分けて行う「評価実習」と8週間を2回の期間に分けて行う「総合実習」というものがあります。

 

今回、その中で評価実習についてお話します。

 

 

評価実習というのは、3年生で行われるもので、昼間部では10月から11月にかけて、夜間部では1月から2月にかけて行われます。

 

 

 

 

評価実習では、病院や施設にご協力いただき、その病院等におられる患者様、利用者の心身の状態や動作能力などを評価し、適切な目標や治療プログラムの立案ができるよう臨床実習指導者のもと、学ばせていただきます。

 

 

課題として、

 

1.日々の記録

 

2.担当患者様の記録

 

3.担当患者様を評価した内容のレポート

 

 

などがあります。

 

特には評価した内容の結果を形に残す、という意味合いになりますが、評価の手段として次のようなものがあります。

 

 

 

1.面接:患者様やご家族様と直接対面し、困っていることや希望などを聴取していきます。この面接を通して、今後の作業療法(評価)の説明やそれに対する同意を得たり、同時に信頼関係を築く機会にもなります。

 

 

2.検査・測定:学内で学んだ検査・測定の手法を用い身体や精神の状態を調べていきます。患者様の疾患や置かれている状況に応じて検査・測定の項目を適切に選択し、計画的に実施していきます。

 

 

3.観察:日常の動作がどのように行われているのか、どこに問題があるのか、何に援助が必要か、どうしたら可能になるか、などを観察からみていきます。

 

 

4.情報収集:カルテを始め、他の職種(医師、看護師、理学療法士、社会福祉士、介護福祉士など)から患者様に関する情報を得ていきます。

 

 

以上の事柄を実施していくわけですが、評価はこれで終わりではありません。

 

 

 

上述で得た結果をまとめ、どこに問題や利点があり、いま何を必要として、今後はどうなっていくのか、などを論理的に思考していき、目標設定や作業療法プログラムを立案していきます。

 

 

この部分が、いわゆる“考察”といわれ、学生(実習生)にとっては特に苦労するところです。

 

 

患者様一人ひとりに見合った目標設定や作業療法プログラムを考えていく必要があり、専門職として客観的な根拠や柔軟な思考が問われる部分でもあり、それが故に苦労することが多いです。

 

 

そして、この過程で得た内容をまとめ、文書化したものがレポートとなります。

 

 

 

 

現在ご協力をしてくださっている患者様、そして将来作業療法士になってからの患者様のためにも、ぜひこの貴重な機会を生かし学び多き時間にしてもらいたいと思います。

 

 

作業療法学科昼間部 菅原