リハビリテーションと地域連携

2016.11.17

こんにちは、教員の助川です。

 

さて、皆さんの「リハビリテーション」のイメージは、病院で実施される、運動の「治療」のイメージがまだ強いでしょうか?

 

現在、わが国では、集中した治療期間を経て、その方が元から生活していた地域(環境)で、病気になる前とは少し変わったその方の状況を、いろいろな専門職がサポートするシステムが日々作られてきています。病院の中だけで、「リハビリテーション」は行われるわけではありません

 

マズローの図

 

上はマズローという人が考えた、人間の欲求をピラミッドにした考えに、理学療法士と作業療法士の役割を私が当てはめた図です。理学療法士と作業療法士に「>」「<」の記号を便宜的に入れてありますが、役割はオーバーラップしますし、捉え方は多様でしょう。

 

例えばある人が、病気になると、人間の本来の要求である「生きる」「安全に生きる」事から阻害されます。「健康に生きたい」というのは、人の基本の要求で、医療はここを支援します。運動器などの理学療法は、こうした医療で提供される代表的な目的であることから、「理学療法」と「医療」、「リハビリテーション」が結びついてイメージされやすいのでしょう。

 

また、疾患を持ち、ある程度急性期を越えて、「生きる」ことが保証されたとしても、人は「自分らしく」「他者」とともに、自分の価値観に即した「理念」を持って行きたいと考えます。障害を持ったとしても、それは変わりません。自分らしく生きるための社会復帰など、「よりよく生きる」ためには、今まで生活していた地域(環境)に対する介入と連携はとても重要です。

 

こうして本来の意味でのリハビリテーションは、運動器のみならず、その方の歴史、生活、価値観も含めての多様なリハビリテーション介入が必要になります。足を事故で切断したので、義足を作れば問題が解決するわけではありません。義足になった足に対する悲しみから、家から出たくない、人にあいたくないなど、二次的に抑鬱状態になるなどといった、精神的な変化が現れる場合もあります。そうした支援では、病院を飛び出して、その方の生活の場である地域状況と関わる必要が出てきます。

 

当校のような資格養成の場では、まず、理学療法や作業療法の医学的な学習が基本となります。しかし対象となる方は、それぞれの生活史を持つ唯一の存在です。より、自分らしくいられる場で、自分らしく、かつ現実的に生活することを支援するのが、リハビリテーションの最終的な目標となるのでしょう。

 

 

 

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